「怖いというより胸糞悪い映画」ミッドサマー 鳥人間さんの映画レビュー(感想・評価)
怖いというより胸糞悪い映画
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自分にとって「面白さ」という概念は、楽しいや笑えるのようなプラスの感情に、好奇心が満たされるや興味深いといった感覚が合わさったものだと考えている(後者は必ずしも必要ではない)。
その意味でこの映画は面白くない。胸糞わるいや気分悪いと言った感情が主でプラスの感情が湧かなかった。二度目の視聴は要らないかなと。
だけど明るく美しい映像で狂気とおぞましさを表現するこの映画がつまらない作品のはずが無いことは分かる。ホラー好きにとっては紛れもない傑作なんだろう。ただ僕には松永事件や女子高生コンクリ詰め事件の事件簿を読んだ後のような胸糞悪さが視聴後すぐの感想だった。怖すぎてトラウマになるとか眠れない、とかではないがただ胸糞悪かった。
いくつか考察を読んで女性がトラウマを克服する物語と聞いて納得した。だけど考察でクリスチャンのクズさを深堀りして報復されてざまあwといった感想があった。いやクリスチャンは聖人ではないが等身大の男子大学生だし、それがあれだけの拷問を受ける理由は無いよ。公正世界仮説であれだけの拷問を受ける理由があったと思いたいんだろうか。でもその読み方だとこの映画の全く普通の人たちがカルトの狂気に巻き込まれる恐怖が薄れるんじゃないかな。ディレクターズ・カット版ではクリスチャンのクズ要素が追加されているらしいけどカットして正解だと思う。クズ男成敗の勧善懲悪の文脈を含めて見るより公開版の方がずっといいと思う。
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