「白夜の狂喜がヤバすぎる作品です。」ミッドサマー マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
白夜の狂喜がヤバすぎる作品です。
話題のサスペンススリラー作品で結構前から気になっていて、鑑賞しました。
鑑賞したヒューマントラストシネマ渋谷は休日と言う事もあり、鑑賞した回は早々と満席。
で、感想はと言うと…ヤバい。これヤバい作品ですよ。
静かに美しく、軽やかにゆっくりと、じわりじわりと狂気を狂喜に忍ばせていく。
綺麗な包装で包まれていても、芯はエグい、グロい、キモいの三拍子w
パスカル・ロジェの「マーターズ」を思い出させる様なヤバい作品です。
最初は日の沈まぬ白夜の日々に精神が異常をきたす作品かなと思っていたら、全然違った。
一言で言うとカルト変態村ですわw
古き風習があって、カルト宗教コミュニティの様なヤバさ。何もかもかま怪しくて、何もかもが胡散臭いw
何を信じて良いのやらと言う感じで全てが酔っ払った様なあやふやで不確かさに満ち溢れている。
村で出される食べ物も飲み物も全て怪しく見えて、全て疑ってしまう。
村人が祝祭とあってか、いつも何処かで踊ってる。
もう、狂喜の世界で、どピカンに晴れた青空や明るさが怖い。白い服が怖い。村人の笑顔が怖い。
怪しさ満載過ぎ。
家族を不慮の事故で亡くしたダニーとその仲間達でスウェーデンの奥地の村で行われる「90年に一度行われる祝祭」に参加する為に村に訪れるが、最初はファンタジーかつ乙女チックな風景とほんわかした雰囲気だったが、徐々に怪しげな雰囲気に醸し出されていき、奇妙な風習が行われていく。
仲間が徐々にいなくなり、またダニーの精神も徐々に蝕まれていく。そして、祝祭のクライマックスが近づいていく…
と言うのが大まかな荒筋ですが、全てが怪しい。
もう、カルト宗教か?と言わんばかりの怪しさで、と言うかカルト宗教ですよね?w
様々な国や土地で様々な風習はいろいろあると思うし、今でも普通に信仰されている物も多数あると思います。
例えば、昭和初期まで東北の奥地で行われていた「楢山節考」の題材にもなった姥捨山の習わしも古き風習だし、沖縄の「風葬」も古き風習。
他所の地の者から見たら、奇妙な習わしに感じても、それを一概に駄目と言うつもりは全くなく、様々な文化の違いとしか言い様が無い。
ただ、それを踏まえてもやっぱりおかしい。この作品の村のコミュニティは全てがおかしく怪しさ満点
難点はダニー達が村に訪れるまではなんか長いし、村人が崖から飛び降りるまでもなんか長い。
村の雰囲気が緩やかな感じを醸し出しているせいか、全体的に間延びする感じもするんですよね。
で、約2時間30分の上映時間も長い。
ツッコミどころはやっぱり沢山あってw
・ラストの交わりのシーンもなんかモザイクと言うかボカシをかける所が掛かっていたり、掛かっていなかったりで、“ボカすつもりあるんかい!”と思ったり
・クリスチャンと赤毛の女の子のセックスシーンなんて、皆に見守られて、“ん?乱交パーティーか?”と思いきや、他の人達は素っ裸でただ見てるだけw
しまいにはご婦人に腰使いの補助までされて、“よもや馬の交配?”と思うくらいの屈辱っぷりだったりw
・クリスチャンのセックスシーンを目撃して、ショックで泣いているダニーに周りの女の子達が一緒に泣いている。文字で書くと悲しみを共有する美しいシーンに感じるが、泣きのテンポと声まで合わせている。もう“お前ら高校球児か?”と言わんばかりにツッコんでしまったりw
・自然豊かで警察も巡回しない様な土地で電波は飛んでるみたいだし
・女王を決める躍りの場面では観客の村人達は手を上に上げて、手の平をくるくる回しているのとかギャグにしか見えなかったり
・栄光の犠牲者選びがビンゴだったり
・ラストは熊さんの生着ぐるみを着させられたりとか
笑いを取りに来ているとは思えないけど、口あんぐりになって、苦笑と言うか、笑うしかないぐらいのエッジの効きすぎたシニカルさ。
そう言えば、ダニーの誕生日をクリスチャンがケーキの蝋燭に火をつけながら、「ハッピーバースデー トゥユー」を歌いながら、蝋燭に火をつけようとしてもなかなかつかなくて、歌いきっても火がつかなったのに、“ハッピーバースデートゥユー フ○ック!”と抜群の間で“フ○ック!”を入れて来たのには笑いました。
いろいろと考えるとアリ・アスター監督は結構な確信犯か?w
ラストはいろいろと解釈があると思うけど、概ね「ウェルカム ク○イジーワールド!」に行っちゃった微笑なのかと。
いろんな作品を観ていると琴線に引っ掛からなくても、興味のそそられる作品もあるし、琴線に引っ掛かっても、合わなかった作品もあります。
この作品ぐらい後味を引くと言うか、余韻の残る程の後味の悪さと気持ち悪さは久し振りw
それでも単にヤバいだけでなく、何か引っ掛かる後味と言うか、興味が引くんですよね。
覗いてはいけないモノ。普段接する事のない異次元の価値観と言うか、正気の隣に普通に居座る狂気と言うか。
それでも、いろいろと倫理観に引っ掛かる物も散りばめられていて、ヤバい雰囲気が一杯。
でも、こごまでブッ飛んだ作品はなんか凄いね。
いや~凄いの観たわw
とりあえず、お薦めはしませんが、変わった変な後味の悪い作品を所望されるのなら、是非w
全てが酔っ払った様なあやふやで不確かさに満ち溢れている。
村で出される食べ物も飲み物も全て怪しく見えて、全て疑ってしまう。どピカンに晴れた青空や明るさが怖い。
ほんとその通り。いやあその他の箇所も絶妙な表現で「うん、うん!」と頷きながら読んでいました。高校球児の下りは電車の中で吹き出してしまった。(笑
yukaさん
コメントありがとうございます。
お褒め頂きましてありがとうございます。
いろんな意見があるかと思いますが、いろんなツッコミもあった作品ですw
熊さんの着ぐるみで一生を終える。…う~ん切ないですねw
また、お暇がありましたら、覗きに来て下さいね♪
マツマルさんのレビュー、激しく同感です。
あの交わるシーンで裸の女子達いる?謎の声やがんばれモード、オッシャー!よくやった!とかちょっとおもしろくなってしまいました(笑)
さらには、熊の着ぐるみ状態で人生を終えていく彼の心情がなんかかわいそうになったりして…。
bionさん
コメントありがとうございます♪
お褒め頂きましてありがとうございます。
とにかく個人的にヤバい作品だったので、もうどう言っていいのやらと言う感じですw
また、お暇がありましたら、覗きに来て下さいね♪