「頭がクラクラ。最高にぶっ飛べるドラッグ映画とは、この映画のこと。」ミッドサマー tさんの映画レビュー(感想・評価)
頭がクラクラ。最高にぶっ飛べるドラッグ映画とは、この映画のこと。
凄かった。観た後しばらく感想が出てこなかった。。。
スウェーデン の夏。山と森と大草原。カラッとした晴天。スマホの電波も届かない。俗な文明から完全に切り離された大自然。
村人は誰にでも優しく、美女が歓迎のダンスを舞う。ここは天国か?まさに、この世の桃源郷。まさに、至福の時!
と思いきや・・・それは・・・壮大なトラップだったのでした。人生良いとこ取りはできないようになってるんですわwww
この映画、映像が凄まじい。美しい。暖かい。一言でいうと、ダウナー系の「ドラッグ」。しらふで観ても頭がクラクラしてくる。ジャンルとしては「芸術映画」の枠に入りそうだけど、めちゃくちゃエンターテインメントでした。
映画のテンポは至ってゆっくりなのに、下手な商業映画では足元にも及ばない、このハラハラドキドキ感。主人公たちは、この先どうなるんだろう?どうなんるんだろう?とても長い映画でしたが、一瞬たりとも飽きませんでした。マジで凄い。どうやったらこんな映画作れるんだろう?
この映画に何度も出てくる「共同体」や「家族」という言葉が印象的。
本作で扱われているのは、ものすごく強固な、宗教をバックボーンとした共同体。共同体の構成員は包摂され、守られ、共感と承認を得られ、構成員同士の助け合いの絆が強い。このような共同体の構成員は幸福に暮らしていくことができる。
でもね。良いことばっかりじゃないんだよ。共同体には恐ろしい一面もある。この映画を観ると、それが良くわかる。
かといって、共同体と宗教が完全に崩壊した世界を描いていたのは、昨年公開された「ジョーカー」。こちらも恐ろしい。
どっちに転んでも恐ろしい。じゃあどうすれば良いの?と、考えさせられました。
あ・・・ちなみに、この映画はグロ注意です。といっても、単に「グロい」のではなくて、「美しくグロい」って感じなので、ご心配なく(笑)。