「芋生さん(悠)を観た-2」ソワレ CBさんの映画レビュー(感想・評価)
芋生さん(悠)を観た-2
「左様なら」で書いた通り、キネカ大森の「芋生悠特集」で、「左様なら」と本作を観た。
東京に出て俳優に挑戦し続けるが生活のためにオレオレ詐欺にも手を染めている青年が、父親に乱暴され続けた過去を持ち、高齢者介護施設でひっそりと働く女性と出会い、あるきっかけで、父親を刺してしまった女性と逃避行をする話。
どうにもならない世界。「傷つくためだけに生まれたんじゃない!」という憤り。誰かの心に残りたい、という気持ち。「あんた、優秀だわ」という声をかけられる歓び。
全編通して、にっちもさっちもいかないのだが、その中を飛び交うこうした思いと言うか叫び。それらは根源的過ぎて、こちら心に次々と突き刺さる。
そしてにっちもさっちもいかない逃避行の中にも、小さな充実感と一時の幸福感があり、そしてまたいさかいと絶望が訪れる。
壮絶なエンディングも決して気持ちがいいわけではないが、なにか大切な映画を観たという気持ちは心の中に残った。
偶然だと思うが、こちらも海というか波の印象が残る映画だった。監督違うのにね。
おまけ
ちなみにトークショー登壇者は、芋生さんに加えそれぞれの作品の監督である石橋監督(夕帆)と外山監督(文治)、「左様なら」での共演者である祷さん(キララ)と石川さん(瑠華)。「夏になると思い出す映画」という芋生さんの言葉が印象的だった。
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カールⅢ世さんのコメント
2024年10月8日
左様なら、ある用務員は観てないんです。
キネカ大森で挨拶付き上映やってたんですか〜 チェックできてなかったので、羨まし〜ほんと悔やまれます。ナマ芋生悠は2度ほど体験してますが。