ダウントン・アビーのレビュー・感想・評価
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群像劇の妙味、ここに極まれり。TVシリーズのファンにはたまらない最高のフィナーレ
TVシリーズを知らないまま映画版へ飛び込むのは無謀だが、一族と使用人の物語を一貫して見つめてきたファンにとって、本作はいつも通りの安定したクオリティと言える。出番の少ないないキャラクターでさえ、その表情やセリフや仕草は決して「点」ではなく、これまで点描されてきたものの延長にある「線」。おびただしい数を配した群像劇を卓越した手腕でさばくあり方は、過去のどの特別編よりも凛として冴え渡っている。
階級社会のイギリス。変わりゆく時代を生きる伯爵一家と、使用人たち。彼らは出入り口も違えば、階段を超えると住む世界も違う。その立場をわきまえつつ、従者は貴族に敬意を払い、貴族は一族のみならず従者のことも気にかける・・・。シリーズを通して描かれた光景に一つの国家が集約されている、という見方も可能だろう。そして今回のラストには、ヴィスコンティの『山猫』のエッセンスが投入されているのではないか、とふと思った。
英国貴族の優雅な 生活
期待通り
ちょっとやんちゃな、それでいて優しいダウントン・アビーがそこにある
景色綺麗!お屋敷広い!
TVシリーズは見ていなかったが映画を見てTVシリーズも見たいと思った。
色んな物語が満載でそれぞれの立場で葛藤があり、悩みを持ち、でも最後は誇りを持ちながら生きていく終わり方が良かった。
すべて良しといった終わり方ではあったが見る物からすれば気持ちよくベッドに行けた。
フランスやイギリスのお城は結構見学したが実際に生活するような所は見ていなかったのでとても興味深く見れた。貴族と従事者立ちとの身分の違いをいやがおうにも感じさせられ貴族の中でも上下があり、身につける衣装と服の違いなどえげつないくらいだった。
それだけに王様を迎えた晩餐会のシーンはよかった。
それにしてもホグワーツ魔法魔術学校の教授、がんばってるなあ。
「私自身で切手を貼って出すわ」と言ったシーンが一番印象に残ったわ。
最高の返しでした。
根本的な違い
連日皇室の結婚話が燃えている。輩がじぶんとはまったく関係のない人様の結婚に介入している理由(優位性をかんじて叩いている理由)──は税金である。マウンティングをとるために、百姓一揆があった時代のような「けつぜい」というコトバに代替している。
いったいいくら国に「けつぜい」をおさめている──かは知らない。ただ「けつぜい」で相手が萎えることだけは知っている。
言わせてもらうならヤフコメに連日投稿しているれんちゅうの税金なんぞ、一円も使っちゃいない。だいたい働いて「けつぜい」をおさめているような本物の底辺はヤフコメに投稿なんかしない。
すぐに税金を口にする輩は国に税金をおさめるルールを知ったのがいまさっきの中二と金を払ったこと以外にすがる拠り所がないにんげんだけ。れんちゅうにはテラハと皇室の結婚劇が同列に見える。言うまでもないが、どれだけはたらいているのか可視化し得ないネットコメントを常用する輩だけが「税金」や「けつぜい」を用いる。
だれのけっこんであろうと、つまづくかもしれない。はたんするかもしれない。だけど、わたしたちにはなんの関係もない。とうぜん、わたしの蚊のしょんべんみたいな「けつぜい」はかれらには使われていない。なにしろ蚊のしょんべんなんだし。よしんば「けつぜい」が使われていたとしても国に税金をおさめるのは昨日今日はじまったルールじゃない。体制にいちいち「けつぜい」を持ち出すならば、じぶんの情報を開示してから言えよ。(と思います。)
とくに腹が立つのが「~さまのためを思って」という輩。おまえなんぞコメが伸びること考えているだけの俗物じゃねえか。考えたこともない他人さまを「~さまのためを思って」などとぬかす偽善者はじ○くへおちろ。(と思います。)
記憶ベースだが森鴎外(だったか・・・違うかもしれない)のエッセイで滞独時のエピソードがある。わりとよく知られている話だと思う。下宿している家の子供が、王(か王室の誰か)が亡くなったと大泣きして、それを見た作家が驚いた──と書かれた紀行だった。
なぜ驚いたのか──といえば(近現代の)日本では皇室が、そこまで庶民の日常に結びついていないから。北の指導者のような洗脳教育によっての崇拝ではなく、子供が自然に王族に愛着と親しみを持っている様子に驚いた──という話だった。
YouTubeにある動画だが、何人かのイギリス俳優が王族の誰が好きかを挙げていく。「British Stars on Which American Accent Is Hardest to Do」(米雑誌Vanity Fairのインタビュー、幾つかの質問のなかの一つ)。
毒婦メーガンが出てくる前の動画(2015/02/10)なのでハリーの人気が高いが、故人も挙がる。それを見るとやはり親しみのレベルが日本の皇室に対するものとはちがう。Keira Knightleyが「Harry? He looks quite fun.」と言うとき、もはやわたしたちのそれとは対置ができない。
いちばんのちがいは、かれらRoyal familyは、人間的であることが許されていること。スキャンダラスなダイアナ妃だって英国民から愛され亡くなっても愛され続けている。
すなわちダウントンアビーはそもそも王及び王に関わる人々が人間的でないなら、ドラマにはならなかった。という証左のドラマになっている。
テレビシリーズの存在を知っていたが、見たのはこの劇場版がはじめて。愛憎、確執、隠し子、ゲイ、人間模様をつうじてダウントンアビーが言いたいのは下働きも侍従も王族も「わたしたちもにんげんです」てことだと思う。登場人物たちは品位を守りながら、だけど譲歩もしながら生きている。とりわけキーパーソンはマギースミスが演じたおばあ様。死期を知ったかのじょは頑迷なように見えるけれどじつは新しい世代を受け容れる慈悲がある──伝統をまもりつつ変化を拒まないそんなダウントンアビーのスピリットを代弁する人物像だった。
派手ではないが、したたかな主張をもった映画。
わたし/あなたがなまえも名乗らずに好きなことをコメントできるならば他人様が誰とけっこんしようと関知するところじゃない。無力なわたしは国にどれだけ庇護されているのかを知っている。
いちばんかわいそうなのはこんな狭量な国民に囲まれている皇室。なんでも好きなことを好きなようにやって生きてほしい。
驚きの完成度
執事ってかっこいい
華やかの世界はA面よりB面。
マギー・スミスが好きで鑑賞。ドラマシリースは見たことはない。
登場人物が多いが、個々の個性が際立っており混乱なく鑑賞できた。
イギリス王室、貴族、その従者たちの表と裏を軽快にすっきりと描き出し、
とても好感の持てる作品。
華やかの世界は、A面よりもB面。
それにしても、イメルダ・スタウントンとジュディ・デンチはいつ見ても間違っちゃうのは私だけ?
王道の安定感
英国の王室は「君臨すれども統治せず」の精神で永年の間、国民の好意的な支持と合意を得てきているのでロイヤルファミリーの物語がTVや映画で人気を集めるのでしょう。
そうはいっても貴族階級のゴシップばかりでは下世話なので使用人たちの誇りや心情に寄り添うエピソードも織り込んで庶民受けも考えられています。
取り立てて感動の群像劇というプロットではありませんがテロやゲイクラブ騒動まで散りばめたバラェティ豊かなエピソード山盛りで飽きさせません。
格調高い建物や衣装とあいまって俳優さんたちも長年演じてきているので安心して観ていられます、まさに王道の安定感といったところでしょうか。
世界観が素敵
シリーズ途中だったので続きを観たくなった
白鳥貴族
英国貴族の大邸宅で起きた殺人ミステリー『ゴスフォード・パーク』。いわゆるアップステアーズとダウンステアーズの対比がお見事だったその脚本を担当したのが、大ヒットTVドラマ・シリーズ『ダウントン・アビー』生みの親であるジュリアン・フェロウズ。男爵としての爵位も持つフェロウズ脚本による本映画化作品は、過去そして現代の英国社会にも目配せした奥行の深い歴史ドラマに仕上がっています。
時代設定は1927年。ナチスドイツ台頭とともにイギリスからアメリカへと覇権交代が進む中で、斜陽を免れないある地方貴族の物語。盛り沢山のテーマが(すし詰め状態で)目まぐるしく展開される本作は、(殆どTVシリーズを見ていない自分が言うのも気が引けるのですが)”シーズン7”の総集編ともいうべき濃厚なテイストが魅力となっています。本作が興行的にも大成功をおさめた理由として、キャサリン妃のファッションを競ってまねたがるロイヤルオタクにとどまらない幅広い層の支持を得たことがあげられるでしょう。
ファンムービーとしてだけではない本作の魅力を、(自分が気づいた点だけ)箇条書きにしてまとめてみましたのでどうぞ。
①王族付下僕vsダウントン・アビー付下僕の主導権争い
キング&クイーンの行幸(ブレグジット)を巡るエリート(グローバリスト)vs保守反動派の争いの隠喩ですかね。行幸にわきたつクローリー家の人々、意外とアメリカ人と同じポピュリスト?
②後継者問題
いかにして後継者に財産を残し家を継承していくかが、貴族にとっては最大の関心事。『ギリギリ(の生活)はいやなの』とはいいながら、ラスト斜陽する運命と戦う決意を固めるメアリー。キングが行幸しようが、ボイラーが壊れようが、雨が降ろうが、貴族は優雅に躍り続けなければならないのです
③身分違いの恋
ジェームズ5世の後継者エドワード8世の“王冠をかけた恋”をベースにしているテーマといえるでしょう。チャールズ皇太子しかり、ヘンリー王子しかり。やはり歴史は繰り返すのでしょうか。
④キング暗殺未遂事件
独立戦争の熱冷めやらぬ当時、アイルランド人のトムが事件発生を未然に防ぐのです。共和主義と保守反動主義を融合したポリティカルな演出が現代の世相ともマッチしています。
⑤執事バローの同性愛
『日の名残り』で当主に暇を出されたホプキンスもそれぽかったけれど、実際メアリー王女に仕える執事たちには同性愛者が多かったとか。娘のエリザベス(現女王)やマーガレットに変な虫がついたら困りますからね。史実をふまえたLGBTへの配慮ですかね。
水面を優雅に泳いでいるように見える白鳥も、水面下では足をばたつかせている。それが俺たち貴族なのさ、と劇中誰かが語っていましたよね。その水面下の動きをしっかり支えているのが、ダウンステアーズの下僕たちなのです。脚本家フェロウズは英国民にむけてこう言いたかったのではないでしょうか。キング&クイーンの行幸で家計を圧迫されようと、ブレグジットで経済的停滞を招いたとしても悲観することはない。我々は名誉を取り戻したのだから。
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