アルプススタンドのはしの方のレビュー・感想・評価
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特別じゃない人たちの熱い青春
本作は、そもそもは部員4人だけの高校演劇部のための戯曲だったそうだ。書いたのはその演劇部の顧問の先生だったそうだが、大変センスがあるし、生徒のことをよく観察している人なんだろうと思う。タイトルに「はしの方」とあるが、まさにクラスの中心にはいられないタイプの高校生たちの「はしっこ」の青春のリアルがよく描けている。
映画はアレンジを加えて登場人物を増やしているが、メインの4人のはしっこぶりがさらに浮き彫りになるように的確なアレンジだ。
秀逸なのは、舞台がアルプススタンドのはしに限定されていて、試合の模様を一切映さないにもかかわらず、熱戦の模様が伝わってくること。野球部の面々がすごくカッコよく思えてくるのが不思議な感覚だ。
甲子園のような華やかな場所にだけ青春があるわけじゃない、スタンドのはしっこにもちゃんと青春はあるし、熱さもある。スポットライトに無縁な人たちの熱き青春を見事に描いた素晴らしい映画。
演劇を観たい
場面が演劇的にある程度固定されています。内容的にはよくできていると思いますが、どうしても演劇だったらこんな演出かなと考えながら見てしまいます。むしろ演劇で見たかったと思ってしまう点では映画としてどうかなという感じです。
代打センター◯◯
今回ようやく観ることができた、しかも城定監督作品
もとは高校演劇作品だったのですね
野球に興味がなく、
無理やり駆り出されたようなはしっこ生徒たちによる会話劇
部活や勉強、恋愛で挫折や悩みを抱えた4人
最初から最後までクスクス笑いができました
序盤は盛り上がりが今ひとつかなって感じでしたが
野球の熱い応援とともに会話も盛り上がって…
観て損は無いと思います
応援すること、のもつチカラ
見落としていたこの作品を観ることができた今日は2024年7月31日。今年の夏の甲子園大会の出場49校が昨日までにすべて決まった。選手、応援団、観客の熱い夏はこれからはじまる。
元々は高校演劇大会用に書かれた戯曲であるらしい。どこかの地方球場でのロケとセットによる撮影であり甲子園球場のアルプススタンドの迫力はとても再現できていない。でも、アルプススタンドの「はしのほう」と「まんなか」を交互に映すことにより徐々に応援する熱が高まっていく姿はうまく演劇的に表現できている。
「はしの方」にいるのはまず安田、宮田の演劇部員二名。この二人は野球を全く知らず、トンチンカンなやり取りが笑いを誘う。そこに野球部をやめた藤野と、勉強一筋のメガネ娘宮下がやってくる。
「まんなか」には吹奏楽部長の久住と吹奏楽部員の女子二名。そして画面には出ないがグラウンドではエースの園田や補欠の矢野が強豪校と戦っている。彼らには、それぞれ因縁があり、「はしの方」の四人は最初、試合を応援するつもりはまったくない。ただ教師の厚木を含め、それぞれがぶつかりあっているうちに、だんだんグラウンドの園田や矢野を応援する気持ちが高まってくる。最初はさめているだけに終盤の熱量との振り幅が大きくアルプススタンドの一体感が熱く熱く伝わってくる。
甲子園のアルプススタンドは観戦する場所ではなく応援する場所。ひとがひとを真っ直ぐに応援するとどれほどのパワーを生むことができるのかを端的に見せてくれて素直に感動する。
青春映画で有名な俳優とかアイドルが出てないというのは好きですが、 ...
青春映画で有名な俳優とかアイドルが出てないというのは好きですが、
なんかやっぱりセリフとかストーリーが白々しい。
脇役に光を!
イヤー面白かったです。試合に出ている人とスタンドで声援を送る人、思いを込めた声援の力が如何に重要か、脇役に光を当てたスゴイ作品。暑苦しいけど厚木先生イイ味出してましたねー。(^^) 主題歌も素晴らしかったです。ペギーズ無期限活動休止なんですね。残念です。
しょうがない、じゃないんだ
グラウンドや試合の模様が一切映らない。
実に面白い。
「アルプススタンドのはしの方」での会話で、想像する。
だって主役は、スタンドにいる高校生だから。
高校生活の3年間で、何に勝って何に負けたか。
そんなの関係ない、と大人の今はわかるけど。
渦中にいるときはわかんない。落ち込むことばかり。
自分のあの甘酸っぱすぎる3年間を、思い出しました。
野球音痴の演劇部二人、その気合いの無さ加減がまたいい。
わからないなりに応援できるのも、野球なんだろう。
最後はちょっと保護者気分で、涙浮かべました。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「人生は、送りバント」
モブでもいいじゃん!楽しもう!
まず、有名役者は誰一人いないのに、演技力は抜群!とても自然。
それに、場面は球場のみ。ほぼアルプススタンドのはしの方笑
たまに、アルプススタンドの別席やトイレ前など。野球観戦なのに球児は一切映らない!なのに話がつまらなくないのは拍手。
舞台脚本なだけあって、ほぼ会話でストーリーは進む。
元野球部男子、二人の演劇部の女子、成績トップで友人のいない大人しい女子の主に四人の会話。
そこに、たまに先生やカーストトップの女子も混じりながら、四人の関係や心情が変わって行くのがおもしろい。
四人みたいに、キラキラしてる同級生を横目に冷めた目で見てた。そうしないと、自分が保てなかったから。
でも、大人になってみると、はしにいる地味な子たちもキラキラしてる。
あの子みたいになれないと卑屈にならないで、素直に応援出来たら気持ちよかったんだろな。
応援してるの見るのって気持ちいい!自分が応援するのはもっと気持ちいい!
主役になれなくても脇役どころかモブでも、一緒に熱くなってみるのもいい!と思えた映画でした。
ポジティブな「しょうがない」を持ちたい
甲子園一回戦に半ば強制的に応援に参加した、アルプススタンドの端っこにいる四人の話。
高校野球映画なのに野球のシーンはゼロ。なんなら全く関係ない話が半分以上。だけど高校野球じゃないといけない気がする。
「しょうがない」がテーマ。しょうがないと思うことはいっぱいあるけど、自分のできる最低限、いや最大限をするべきだなと思う。
あまり「努力=正義」みたいな他人からの説教は好まないけど、自分中で折り合いのついた努力は大好き。矢野くんみたいな。
打て!走れ!投げろ!
野球部ね、野球部。嫌いだったな。なんかホラあれでしょ、引退と同時にバイトしてさ、コンビニとか引っ越しとか、で、5万溜まったらGUCCIのベルトを買う。でもパンツはUNIQLOだしアウターはZARAみたいな。靴はほらあれ、NIKEのエアフォース1。それ以外履いたことない。女は好きだけどサッカー部ほどのスマートさはないからアピールの手段がひたすら腕力と威勢。手持ち無沙汰になると素振りの練習を始める。注文いいすか?とりあえず生。目上がいるときは一人称が「自分」。ウッス、自分なんでもやるんで!いや、今も嫌いか普通に。
別に野球部に何かされたとかじゃないし、バカなだけで概して気のいい奴らだったけど、なんなんだろうこの不快感は。他の運動部にはあんまり感じることがない感情。よく考えたらGUCCIのベルトくらいバカならみんな買うし。理由は何なのかっていったら、たぶんそれは学校ぐるみで贔屓されてたからだと思う。要するにぼんやりした嫉妬。不平不満。それ以上でもそれ以下でもない。
俺んとこは甲子園とか行ったことないから知らんけど、それでも県大会でいいとこまで行ったとか行けなかったとか、野球部の情報だけは毎年必ず耳に入ってきた。他はどうかといえば、たとえば隣のクラスの卓球部にいたあの陰湿で口の悪い部長が果たして大会でどういった顛末を迎えたのか、俺たちは終ぞ知ることがなかった。
野球というスポーツはどうしてああも人気があるんだろう。野球を真剣にやっていたというだけで学年を下から数えたほうが早いようなバカでもなんとなく周囲から優遇される。あのしょうもないターン制玉転がしへの傾倒具合が当人の人格的評判に結びつくというのがどうにもわからん。
でも、こんなことを言いつつも、俺はたぶんうちの高校が甲子園なんかに出てさあみんなバスに乗って応援に行こうなどと言われたら、ブーブー文句を垂れながらも結局ついていってしまうと思う。この映画の登場人物たちみたいにはじめは冷笑気味に、なんとなくヘラヘラとグラウンド事情を上から批評して、しかし次第に熱が入ってきて、しまいにはワァワァ叫び散らしていると思う。
野球部はバカだし野球もろくでもないスポーツだが、じーっと見ているうちにふと彼らの姿が自分自身の人生の軌跡に重なるような瞬間がどこかにある。俺だってこいつらと同じように何かに打ち込み、情熱を燃やしたことがあるんだとか、あるいはこいつらに比べて俺はなんて卑小で愚図なんだろうとか、なんらかの強い感情を喚起される。
俺みたいにふだん皮肉やら冷笑やらで自己防衛を図っている文化系オタクこそ、ふと眼前に出来した熱気にまるっきり武装解除されてしまい、しぶしぶ白旗を上げてしまうことになる。別に野球が好きになったとか野球部の面々を見直したとかそういうことではまったくなくて、打つとか走るとか投げるとかいった彼らの必死の運動の中にある人間普遍的な尊さ、みたいなものに圧倒されるというか。映画だろうが小説だろうが野球の試合だろうが、そういう尊さを目の当たりにしたとき、人は感情を大きく揺さぶられる。そういうものだ。
要するに俺はスポーツの試合を見るのが割と好きだ。そしてそれはおそらく、映画や小説を好きな気持ちと実のところ大差がないのかもしれない。
青春を謳歌してる?
U-NEXT新規入荷作品チェック時、
ユーザー評価(4.5)、高評価だったので
マイリストに登録していた作品。
タイトル通り、甲子園を目指す高校を
応援するアルプススタンド・・・端の一角を
中心に高校生男女の若者の悩み、
結局上手くいかなかったと・・・
しょうがないと諦める。
どんなに努力してもレギュラーになれず
自分に才能がないと諦める。
共感しまくり(笑)
高校時代の自分、こんな感じだった。
補欠やの君エピソードが効果的だったね。
まさか、〇〇になるとはね。
野球シーンは一切ないけど
公立高校が甲子園常連校にあと一歩と迫ると
いつの間にか声を出して応援したくなるよね。
みんな熱かったよ
青春してる
高校時代、青春を謳歌していなかったなぁ
短い!
「短い」はすばらしい!
75分!!
追記
家で2回目。たかが応援の話なのに胸が熱くなる。野球部の応援の子たちが色白なのだけが気になった。
矢野くんにはこの後も頑張って欲しい。
追記の追記
え?!! 甲子園「予選」ではなかったの??
高校時代
を思い出して、ちょっと涙しました
泣かされた感がなく自然と涙出ました
あまり演劇好きではなかったのですが、
この映画は演劇風で
でも凄く凄く良い映画だったな
ちょっと現在に疲れた時に観る良いですよ
この監督さん天才かも。
きらめきで全員に恋しそうになる
高校生の青春の苦々しさが刺さってくる作品。
18歳だって自分を抑え込んで我慢してしょうがないと諦めることがある。この映画のどこかに誰もが青春時代に思い当たる節があって少し心臓が掴まれたような気分になる。
現実はこうはいかないかもしれないけど、アルプススタンドのはしのほうで本音を話すことで少しずつ諦めが変わっていく。映画の中では一度も映し出されることのない野球の試合の展開によって登場人物の心が動かされる。本音を話せることが、考えを柔軟に変えられることが眩しくて仕方ない。
登場人物全員に魅力があって、その表情とか言葉に恋しそうになる。
はしっこでも青春真っ只中
高校生時代が懐かしくなるとても良い映画です。
胸にズシーンと来ました。
クラスの端っこで、ガリ勉していた自分がいます。
みんなが憧れた野球部のエースもいます。
エースの陰で野球を諦めた部員もいます。
なりたい者になれない、みんながいます。
本当に等身大の青春が映画でした。
アルプススタンンドで、応援している4人の男女高校生。
演劇部員の安田(小野莉奈)と田宮(西本まりん)、元野球部の藤野(平井亜門)
そして成績優秀で孤独な宮下(中村守里)
(野球オンチの安田と田宮の会話が笑える。)
(球、今落としたよね!えーっ、なんでアウトなの?とか・・・)
「しょうがないよ」が口癖の安田。
実は演劇部の全国大会出場を、主演女優のインフルエンザで、
棒に振ったのだ!!
それ以来「しょうがない」が安田の口癖になっている。
この映画に白球を追うユニフォームの野球部員どころか、グラウンドはまったく映りません。
これだけでも異色な映画です。
でも吹奏楽部員の演奏が山本リンダの「狙い撃ち」なんかを派手に演奏して盛り上がるし、
カーンと白球がバットに当たり、スタンドは歓声に包まれる。
そして終盤。万年補欠の矢野が、遂に打席に立った。
送りバンドのサインだ。
そつなく二塁に進めて、その後犠牲フライで三塁走者が還り待望の一点をもぎ取る。
このあたりから試合は白熱する。
トンチンカンな野球観戦をしてる安田と田宮は、犠牲フライのルールも知らない。
しかし次第に、雰囲気に呑まれて、クールな宮下さんまで大声で応援するのだ。
野球部のスター園田君。
エースで4番の彼も、万年補欠の矢野君も、画面に映る事はない。
(それでも園田も矢野もこの映画に、ちゃあんと存在している)
そして実は、宮下さんが園田に憧れてるのが、分かるのだ。
しかし園田は吹奏楽部の部長・久住さんと交際しているらしい。
ショックを受けて体調を崩す宮下さん。
(ドラマだ!青春だ!)
たった75分間の映画。
4人の会話が殆どです。
試合の結果がどうなったかは、どうかご覧ください。
ラストに、5〜6年後のアルプススタンドで再会する4人の姿があります。
(4人が会う理由も秘密!どうぞご自分で・・・)
逆転ホームランを撃つ青春もアリだし、逆転ホームランを見て、
感動して勇気を貰う人生だってアリです。
しょうがない・・なんて諦めないで!!
頑張れば必ず結果が付いてくる・・・人生の送りバンドが未来につながる!
(全国高校演劇大会で最優秀賞に輝いた戯曲の映画化作品です)
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