「映画としては・・・」アルプススタンドのはしの方 オクやんさんの映画レビュー(感想・評価)
映画としては・・・
この作品は第63回全国高等学校演劇大会で最優秀賞となる文部科学大臣賞を受賞し、全国の高校で上演され続けている兵庫県立東播磨高校演劇部の名作戯曲を映画化したものである。
邦画、洋画を問わず舞台劇を映画化する作品は数あれど、ものによってはやはり舞台の方がよかったとか、いや、映画の方が良かったと言う人、様々いるであろう。かくいう私も、この作品の舞台は未見なので、なんとも判断しようがないのだが、映画としては失敗しているように思えてならない。
なんと言っても映画としての奥行きが全く無いからである。舞台劇を映画化したのだから、当然そうなるはずだと言われればそうかもしれないが、ならば敢えて映画化する理由はどこにあるのだろうか。また会話劇も広がりに全く欠き、同じワードやフレーズを幾度どなく口にするのも気になった。
恐らく、この作品は舞台だからこそ味わえない表現力や演出が冴えるのであって映像化する意味など、どこにもない様に感じた。
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