「シンプルなのに熱い、無駄がないストーリー」アルプススタンドのはしの方 BonBonママさんの映画レビュー(感想・評価)
シンプルなのに熱い、無駄がないストーリー
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国立劇場と青春舞台で元の高校演劇を観たとき、彼らには映っていないはずの球場がまさに客席にあるように体感され、存在するはずのないボールを追う目線の一体感に心を奪われました。映画化に嬉しさを感じつつ、また多少の不安も感じつつ鑑賞しました。
原作には出てこなかった吹奏楽部の久住さんも登場し、吹奏楽も全て想像の対象だった部分は変わっていましたが、逆に演奏シーンが終盤の熱さを突き上げてくれました。久住さんの感情をLINEのやり取りと少しの友達関係から引き出すには少し共感するのに時間が足りない部分もありましたが(自分で真ん中と言ってしまうことも多少強引かな…)ポカリスエットを差し出すシーンは飲料水のCMにバッチリな美しい描写でした笑 あと田宮さんの「割りと好き」発言は失恋の傷口に塗るのに優しい傷薬になるなぁと…勉強になりました。それと藤野くんとあすはちゃんが語り合うシーンが二人とも可愛くて凄く好きです。
ラストシーンはなんなんですかね、絶対に感動しちゃうマジックみたいな。最後の矢野君には感情移入してみてると涙無しには見られないです。
ただ視覚的なドラマ性、恋愛のキュンを求めてる人、リアルな甲子園球場と真夏の吹奏楽を体感したい人にはおすすめできないです。会話の輪になかなか入れない人、凄い人を見ると素直に誉められない人、がんばってる人がダサく見える人、スポーツよくわかんない人。そんな人に共感できるシーンが見つかるはず。
原作の籔さんの作品の舞台(映画でも)、監督の城定さんの青春映画、もっと見てみたいなぁと思いました。この夏に見るのにベストな傑作でした!
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