「これははしの方で繰り広げられる、ど真ん中の青春映画だ!」アルプススタンドのはしの方 松王○さんの映画レビュー(感想・評価)
これははしの方で繰り広げられる、ど真ん中の青春映画だ!
以前から気になってた作品を観賞しました。
で、感想はと言うと、良い♪良いっス。
これは良い作品ですよ。
ミニシアター系の作品でありながら、コンパクトにまとまっていて、それでいて王道の青春映画。
野球部の応援での一場面を切り取った作品でいて、野球部が全然映らないと言うのは低予算を逆手に取った思い切ったアイデア。
それでいて、画に映らないそれぞれの野球部部員にも物語があり、いろんな物語を想像させられる。
何よりも脚本が良い♪
演劇で名作と名高い戯曲の映画化ですが、演劇の持ち味を損なわず、上手く映像化しています。
所謂シチュエーション芝居で会話劇なんですが、個人的にこの手の戯曲は好みと言うのもありますが、そこはかと無い会話が面白く、またテンポが良い。
肩の力を抜いた様なそこはかとない言葉のやり取りがバツグンでズルズルと引き込まれる。
藤野の矢野のバッティングフォームの違いは笑いました。
女子高生の暑い日に強制で野球部の応援に駆り出されて、やる気が無いから端っこの方で応援している。
真ん中も空いているのに関わらず、端っこに要ると言うのは大概そんなもんw
野球のルールも殆ど分かんないから、会話がちぐはぐだけど、それがまたなんか面白い♪
でも、そんな女子高生の気持ちがリアルで思う事は"うんうん"と頷ける事ばかり。
思っても口に出さない大人からすると、素直に口に出しながらもちゃんと遂行する高校生が微笑ましい♪
出てくる高校生達も普通に見えて、それぞれにいろんな事情や悩みを抱えている。
演劇部で脚本を担当している安田が主人公の様でそうでもない。
秀才かと思いきや、実は追試を受けていた元野球部でピッチャーの藤野だって、ムードメーカーっぽくて気が利くひかるにも、秀才でおとなしい性格のメガネの宮下だって皆悩みを抱えている。
ちゃんと主人公らしい主人公がいないのが良い。
勉強が出来て、吹奏楽部の部長で、野球部のエース、園田君と付き合ってる「進研ゼミ」の久住だって、悩みがある。
熱くてウザい茶道部の厚木先生も声を枯らしながら応援しているのは生徒思いの良い先生だから。
ちょっと意地悪な吹奏楽部のトランペットの女の子もウザいウザいと文句を言いながらも最後は涙する熱き青春。
野球部の園田も矢野も皆青春している。
皆それぞれの主人公で脇役なんて居ない。
皆が皆、主人公なんて言葉はちょっとこっ恥ずかしいがまさしくその言葉がピッタリ。
この辺りが名作戯曲としての由縁ですね。
また良い奴ばかりと言うのも良いよね。青春は素敵だ♪
監督はエロも問題作も名作も清濁併せ呑む、映画界の流れ板料理人w、こと城定秀夫監督。
こんな素敵な青春映画を仕立て上げるとは流石は漢JOJO♂ 城定秀夫!
「しょうがないはしょうがなくない。」と諦めの言葉を吐かずに自身が熱く頑張れる様に声を出して応援する。
ホント素敵な映画だ。
上映館が思ったよりも少なくて、ミニシアター系な感じですが、もっと沢山の人に観て欲しいし、絶対にもっと当たる作品だと思います。
いや~これは来ますよ。いや、来て欲しい!
そんな思いをさせてくれる作品です。
機会を作ってでも観賞して欲しい作品です。
是非是非のお勧めです♪
CBさん
コメント有難うございます。
お褒め頂き、有難うございます♪
とても良い作品で、期待してただけに嬉しい感じです。
こういう映画が増えると嬉しいですね。
また、お暇がありましたら、覗きに来て下さいね♪