配信開始日 2019年10月18日

「【”世界最大のタックスヘイブン、アメリカ”  今作が問いかける問題は重く、意義深い作品である。】」ザ・ランドロマット パナマ文書流出 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”世界最大のタックスヘイブン、アメリカ”  今作が問いかける問題は重く、意義深い作品である。】

2020年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

ー冒頭、この物語の”狂言回しの”会計士、モサック(ゲイリー・オールドマン)とフォンセカ(アントニオ・パンデラス)が金について語るシーン
 ”そして、金は今や目に見えないモノになった”
 という件で、期待高まる。-

 ・真面目に生きて来て、漸く夫ジョーとクルージングをする生活になったエレン・マーティン(メリル・ストリープ)に悲劇が起こる。クルーザー会社が掛けていた保険がペーパーカンパニー名義になっていて、保険金が下りない・・。

ーここから、エレンの厳しい追及が始まって行くのかと思いながら、鑑賞していたが、物語は”ペーパーカンパニー”で巨額の金を設ける人々の愚かしき行為にシフトしていく・・。少し分かりにくい・・。-

 ・モサックとフォンセカは章立てで進む物語の随所に現れて、現代社会の金融の矛盾について、述べる。

 そして、”エエッ、貴方だったのですか!”というシーンが映し出され、この物語は、スティーブン・ソダーバーグ監督がブラック・ユーモアテイストよりも、シニカルな怒りをメインに持ってきて制作した事が分かる。

<ラストの、モサックとフォンセカが僅か3カ月の収監で”罪を償い”、明るい場所に出ていくシーンにもスティーブン・ソダーバーグ監督がシニカルな怒りを滲ませている作品でもある。>

NOBU