「Sは、スタンリー(・キューブリック)」キューブリックに愛された男 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
Sは、スタンリー(・キューブリック)
オリジナル・タイトル「Sは、スタンリー(・キューブリック)」の通り、エミリオに宛てた依頼やメッセージの署名は、”S”だ。
そう、スタンリー(・キューブリック)のS。
Sに雇われるきっかけが、「時計じかけのオレンジ」のあのナニのオブジェを後部座席に押し込んで、一部を窓から出して運んだのがきっかけだと知って、口を大きく開けて笑ってしまった。
この映画にすんなり入り込むには、「時計じかけのオレンジ」を観てる方がいいように思う。
そして、あの強面のジャック・ニコルソンなる人物がどんな人物かも、このエロジジィめと、笑ってしまった。
主にはSの几帳面さや、完璧主義、動物や家族を大切にしていたところ、そして、二人の心温まる交流なども描かれる。
健康を害したSが、エミリオ夫婦をアイズ・ワイド・シャットの一場面に起用したのも、心からの感謝の表れだろう。
映画が後世に残れば、エミリオ達も画面で生き続けるのだから。
そして、最後に、また笑わされる場面が待っていた。
エミリオが、Sのどの映画が好きか聞かれ、スパルタカスと答えたら、あれはクソ映画だと言ってたと話すところ。
あれを駄作とSが公言しているのは有名な話だ。
そんなことも知らないでいたからこそ、二人の良い関係は続いたのだろうなと思わせるエピソードだった。
なんか、連作のFilmworkerとは趣を変えて、Sの別の面を楽しめる映画だと思います。
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