「戦車エンターテインメント」T-34 レジェンド・オブ・ウォー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
戦車エンターテインメント
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戦争映画ではあるが戦車エンターテインメントと言った方が良いかもしれない。
近年のロシア製映画は、お国柄は希釈して海外市場を意識、ハリウッドより娯楽性に寄せた作品が多い気がします。本作でも戦争の生々しさしさと言うより戦車乗り同士の宿命の対決のような描き方、死人も少ないですし略奪はだめ、恵んで頂きなさいとの紳士ぶり、ラブロマンスも織り交ぜてハッピーエンドに持ち込むのですから良くも悪くも並みの戦争映画とは方向性が違います。
開戦初期にはT-34は無敵だったからソ連の自慢なのでしょう、日本人のゼロ戦びいきと似ているのかもしれませんね。ドイツ軍もT-34を研究してパンサーやタイガーと言った名戦車を産み出したがソ連も量産性と改良型のT-34(85mm砲)で対抗した。
収容所から戦車で脱走したと言うのは実話らしい、「鬼戦車T34(1964・ソ連)」も脱出劇だったのでリメイクとかパクリといわれたようだが元が実話なら問題ないでしょう。
「ホワイトタイガー(2012・ロシア)」でもT-34が出てきたが本作は本物を使っているので迫力が違う。何より砲弾が生き物のよう、装甲で弾かれる様やスローですれ違い火花をあげる、パンサーの床下にワンバウンドで命中させるウルトラ技、VFXを駆使した見せ所が満載だから戦車もののファンは狂喜乱舞するでしょう。興業的にも大当たりして気をよくしたのでしょうかロシアでは独ソ戦勝75周年を記念して3時間越えの長時間バージョンも作られ登場人物の掘り下げなどエピソードが追加されたようです。戦争ものを面白いと言うのも語弊がありますが映画ですのでご容赦ください。
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