犬王のレビュー・感想・評価
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たぶんみんな思ったこと
素直にいい作品だったと思う。しかし、松本大洋デザインのキャラとはいえ、犬王の素顔を見た時に少し残念な気持ちになったのは、私だけじゃないと思う。
前半と後半でスタッフ総入れ替えしました?
というくらい、前半の映像、作画は素晴らしく、後半のライブシーンからの音楽のダサさ(古さ)と映像の凡庸さが残念でした。。特に琵琶をほとんど無視したエレキギターと歌のダサさは特筆すべきで、その長さと相まって耐え難い苦痛でした。今どきQueenのオマージュをやるそのセンスもどうかと。。江戸時代?の人にとってはそれが新しく斬新な音楽でも、アニメーションにする以上、観てる人が心震えるような音楽で無ければこちらは古くて醒めてしまいます。これが音楽監修がもしKing Gnuなら全く別の映画になってた気がします。
犬王の異形についても、登場からその迫力は凄まじく、いったいこれがどのような展開になるのか楽しみだったのに、どんどん普通になって行くという、想像と真逆の展開に悲しみを覚えました。そしてついには犬王の仮面取ったらまさかのデビットボウイ??には呆れて爆笑してしまいました。。
しかし松本大洋のキャラクターデザインとSARUの作画は本当に美しく素晴らしく、前半の30〜40分?は震えるくらいワクワクしたのに、後半にかけて全てをチャラに、いやマイナスにして終わりました。
なんだか惜しい、、残念な映画でした。
振り回された挙句のすがすがしさ
ほとんど前情報を入れずに行った。平家関係なようだし怨霊の登場するファンタジー的な物かなと予想してはいたけれど、間違ってはいないがもっと破天荒。
まさかのポップカルチャーが室町南北朝の京都に一大ムーブメントとして巻き起こるなどと予想できたはずがない。
中盤から口を開けた状態で流れ去るままに振り回されて、新体操やバレエまで出てきた?とぽかんとしているとまた激流がやってくる。
ああ、己の道を通した結果か。と思っていると最後にやってくるのは救いか希望か。
すごいものを観てしまった。
ベジャールのボレロ、デヴィッドボウイ、クラウスノミ 私の知る限りの...
ベジャールのボレロ、デヴィッドボウイ、クラウスノミ
私の知る限りの、瞬時にインパクトのある印象が噴き出す。
エンタメ性よりも芸術性をより感じ、感性が刺激される。
犬王や能の事に詳しければより楽しめるだろうけど、表現の部分だけを堪能しても良い気がする。
考えるな、酔い痴れろ。
アニメーションでしか成し得ない映像表現。
古今和洋の音楽。
ものがたりは古典ベースだから問題ない。
ただ何も考えずに映像と音楽に浸れ、酔い痴れろ!
この作品こそ、大きなスクリーン・音響の良い劇場で体験すべき。
時代劇という分野でのアニメーションのさらなる可能性を見せつけられる。
一度ではもったいない。何度でも何度でも体験したい作品だ。
(歌詞と語りの部分に字幕があってもよかったかな。)
期待した分少し残念だった
アヴちゃんが初声優ということで、
PVを見て映画館に駆け込んだ。
アヴちゃんの表現力は圧巻そのもので、
犬王という異形のキャラクターを声を節々で変えることにより飽きさせない素晴らしい物だった。
そして、湯浅監督と松本大洋氏のタッグ、
まぁ大方予想通りの絵面ではあったが、
どうしてもクレヨンしんちゃん感が拭いきれず、
それが狂気じみたストーリーを緩和しているといえばそれまでかもしれないが、もう少し繊細な絵でも良かった気がした。
しかし、最後明らかにデーモン小暮閣下なのはどうしても気になったしこれは無いと思った。
そして、脚本は逃げ恥を書いた方だったかな?
内容が濃いだけに90分に無理やり押し込んだ感が凄くあった。全体を通して分かるようにはなっていたが、順番を少し変えてもよかったと思う箇所も少々。
音楽はなぜロック調にしてしまったのか。
題材が題材だけに残念だった。
〜総評〜
一言で言えば、
アヴちゃんが素晴らしすぎて
周りが霞んでしまう。
画角やキャラの動きはとても良いと思った。
が、友情・能楽をテーマにしていたのを感じさせないなんともテーマ感が薄い残念な作品であった。そして最後のデーモン小暮閣下。
聖飢魔IIは個人的に大好きだが、
ここは違うよ。
期待はずれ、 ごめんなさい🐵
これだけ最高のアーティストが集まり制作された作品なのに…肝心なストーリー自体が手塚治虫の〝どろろ〟ににすぎていて、オリジナリティ(オマージュなの?)にかけるのが残念。
そして歌唱シーンが長いわりに、内容が聞き取りにくいので字幕を入れてほしい。
「湯浅政明の真骨頂」
今年53本目。
この映画を見る為に生まれてきた。湯浅政明の真骨頂。原作は古川日出男の小説「平家物語 犬王の巻」。実在した能楽師がモデルだそうだが、琵琶と能楽のこの組み合わせ。完全にライブでした。ここまで凄いライブ見ると、他の映画も行きたくなりました。
自分には合わなかった
南北朝~室町期に活躍した実在の能楽師・犬王をモデルにした作品。
1回目に観に行った際、疲れてたのか寝落ちしてしまいストーリーもほとんどわからず、レビューも書けず、だったので、改めて2回目を観に行った。
しかし、やはり途中から睡魔が襲ってきて、ウトウトしてしまい、最後はちゃんと観たが、これは自分と相性が良くない作品なんだと良くわかった。
アヴちゃん、歌は良いが、話し方が聞いててダルい。
絵は綺麗なんだけど、この描き方は好きじゃない。
ここでの評価が高いから、また叩かれるかも知れないが、こんなレビューしかできず申し訳ない。合わなかった。
( ◠‿◠ ) ボヘミアンラプソディin室町?
クイーンのボヘミアンラプソディin室町って感じですかね。
犬王がフレディ!?友魚がブライアンメイ!?欲を言えば他のメンバーも描いて欲しかったかなぁ。エレキを琵琶に変えて弾きまくる友魚、異形の姿の歌い手の犬王、壇ノ浦を演じたステージは最高です。そして支配者足利義満を前に最後のステージ、美しい!美しすぎる。
まさに魂を語り継ぎそして解放していく伝説のステージ。ありだなぁ、、、、この映画。
発想がいい!
昔、メタルが好きでいろんなバンドのアルバムを聞いたけど、どのバンドもファーストが衝撃的で1番いい!そしてだんだん廃れていくんだけど犬王たちもそうだったのかなぁ。友魚は最後まで自分たちのスタイルを曲げず、、、、、そして犬王は、、、。
比べちゃうのは『平家物語』。今年の3月くらいにやってたアニメ。こちらも主人公の琵琶という少女が平家の魂を語り継ぐ話。こちらも琵琶の音色が印象的。おすすめです。
才能あるもの集ば…
ミュージカルなのにこんなに聴くのが苦痛な映画ってあるだろうか。念仏のように何度となく繰り返される音楽に後半に差し掛かったあたりでうんざりする。
琵琶と合わせる曲を現代風に作ろうとした作者大友良英の苦労は理解できるが、あまりにも曲調が時代とかけ離れており、ストーリーに裏付けされた説得力が全くない。クイーンのwe will rock youのようなノリを安直に使ったり、正直何がしたいのか分からない。鑑賞者が室町時代の奇妙な聴衆と一緒に心も体も揺さぶられると思ったのだろか。私はただただ呆気に取られるだけだった。氏と同じように朝ドラを担当した鈴木慶一の座頭市の音楽の方がもっと自由でもっと説得力があった。
ストーリーについても、手塚治虫の「どろろ」などと酷似しており、いつかどこかで聞いたような話。特筆すべき点はない。
アヴちゃんの歌も森山未來の声も松本大洋のキャラデザも湯浅が発揮すべき「ピンポン」の情緒、「DEVILMAN crybaby」の躍動感も、期待したものは何もなかった。コンダクターが機能せず、個々が自由に作業したのが透けて見える。全てが上手く噛み合ってない。映画はシンフォニーでありソロで行うものではない。才能あるものが集えば、名作が生まれるというわけではないということを真に思い知った作品でした。
古典と現代の融合
僕は毎月歌舞伎を見に行く。
従って歌舞伎の物語の題材になることが多い平家物語、そして歌舞伎よりも古い伝統芸能「能楽」の誕生にまつわる話ということで期待を膨らませて行った。
冒頭、いきなり現代の街の描写から始まるので驚く。
その後琵琶法師(友魚)が琵琶をかき鳴らして犬王の話を始める。
これで一気に現代から古典の世界へ観客はタイムスリップする。
音楽も鼓や琵琶を使いながら現代楽器ともコラボして、テンションが上がり上々の掴み。
そして、友魚が盲目になる場面が描かれる。
歌舞伎で言えば発端にあたる部分。
平家が海の底へ持っていった草薙剣を引き上げ抜いたことによって父は死に友魚は盲目になる。
ここら辺は因縁話めいていて面白い。
そしてここで興奮したのが平家蟹の話が出てきたこと。
これだけでも古典好きとしては満足。
そしてそこから琵琶と出会い都へ行き犬王と出会う。
そしてクライマックス。
南北朝を統一した義満が平家物語を一つにまとめ、犬王の舞を否定して藤若の舞に統一する。
ここで義満が権力者としての怖さを見せた。
それまではどちらも大手を振って興行できてたものが、権力者の言葉によって正統と異端にわけられる。
義満次第では犬王の曲の方が現代に残っていたかもしれない。
権力と芸能の関係とはどうあるべきかという問いかけになっていて素晴らしい。
最後の方音楽のない中で優美に舞を舞う犬王の姿が悲しい。
そこから最後、冒頭の現代の街中の場面に戻って友有と犬王が再会する。
そこから2人が自由に踊る。
今ある能楽の曲は当時から現代まで作られてきた膨大な曲の中のごくごく一部だ。
現在でも能楽師の方は復曲と言って忘れられた曲を復活されたりする。
その忘れられた曲の中にも人々の魂はこもってる。
そんな事を感じた。
そしてもう一つ。
津田健次郎さん演じる犬王の父が素晴らしい。
ライバルに心を乱され、完璧を求めるが余り息子までをも犠牲にするまでの闇堕ちの過程を丁寧に描写していて人の妄執がよく伝わってきた。
この犬王の父のシーンはそれまでの伏線が回収されていって野木さんが脚本を書いてるという事を思い出されたし、鳥肌が立った。
さて、ここまで手放しで絶賛してきたがいまひとつな点も幾つか。
まず作画と音にズレがある箇所がいくつかある事。
そして、声優さんが津田健次郎さん以外は今ひとつな所。
途中のライブシーンがいくらなんでも長すぎる所。
途中から琵琶がエレキギターに変わってることにすら気づかなかった(琵琶でロック風の音楽を弾いてると思っていた)程興奮していた僕ですら途中寝そうになってしまった。
そしてアヴちゃんさんの歌がもう一つな所。
いや、ロックスターとしてはとても歌が上手いのかもしれない。
しかし、犬王が演っているのはあくまで猿楽である。
ロックみたいに斬新な猿楽であったとしてもお客さんに伝わることが大事であると思うので、途中の腕塚とか歌舞伎で昔の言葉に慣れてるはずの僕でも何を言ってるのか聞き取れなかった。
犬王の気持ちとしても周りについてる平家の霊の物語を伝えるというところが大事なんだからもっと伝わるように歌ってほしかった。
最後に、この映画を観ると世阿弥から始まる現代の能楽が悪者のように思う人もいるかもしれないが、「余分なものを削ぎ落とす」ことで美を作り上げた能楽も素晴らしいという事をお伝えしておきたい。
躍動感溢れるサウンドとアニメーションに感動します
古風な絵柄にビジュアルバンドのような音楽を織り混ぜた、一見ミスマッチに思えるような組み合わせがなぜか目新しさを醸し出していた。
ただ抽象的な表現が多すぎるせいか観客を置いてけぼりにしてる感がある。
映像、音楽ともに臨場感があり話が分からなくても楽しめると思う。
【良かった点】 アニメではなくもはやフェス!、ここ数年行けていない...
【良かった点】
アニメではなくもはやフェス!、ここ数年行けていないフェスの熱気をスクリーン越しに感じられる最高に熱い一本。
映像革命。見たことのないギミックの連続で、それだけで楽しいのにさらにアヴちゃんと森山未來さんの歌が相まって初体験づくしの贅沢。
【良くなかった点】
後半の急なシリアス展開は若干ついていけなかった。もう少しライヴの余韻に浸らせて…。
史実ベースなので仕方ないが、個人的にはもっとハッピーであってほしかった。
テーマが何か、何を楽しんでほしいのかわからなかった。
これは、「ファンの人は楽しんでください」という映画だったかな。演出や映像は凄いのはわかる。わかるけど、観客に何を感じてほしいのか理解できなかった。つまり自分は楽しくなかった。
一応ストーリー的なモノはあるんだけど、主人公に感情移入してほしいのか、世の無常的な権力争いの愚かさみたいなのを感じればいいのか、さっぱり何も伝わってこなかった。というより伝えようとしている映画ではなかったかなと。
「犬王一座のライブPVです」と言い切ってくれたら、凄い演出ですなぁ(音楽の好みは分かれると思うので好きな人はどうぞ)って思えるのだが、これを「映画として楽しんでください」では無いよなぁと思いました。
画が好きとか、演出の湯浅節が好きとか、音楽提供者のファンとか、原作好きな人は楽しめるんじゃないでしょうか。それ以外の人はあまり楽しめない映画だと思います。
熱くロックな琵琶法師
南北朝時代の実在の能楽師「犬王」を主人公にした、ロックオペラアニメ。音楽のモチーフはQUEENなのかな。
呪が解けていく過程は「どろろ」を想わせる。
和風な作画テイストは「かぐや姫の物語」に共鳴している。
新感覚ロックミュージカルアニメーション炸裂。
TVアニメ版平家物語は視聴済みです。
個人的に好きなスタッフ陣が集結した作品だったので、とても楽しみにしていました。
感想
想像以上にミュージカル調のアニメ作品で、とても楽しかったです。
・物語構成
平家物語の派生作品なので、かなり硬派で重たい史実重視な作品になると思っていたので、今回の明るく楽しい現代的な和製ロックミュージカル調の作風は意外でとても楽しめました。
また、犬王と友魚の友情物語としても魅力的で互いに支え合っている雰囲気が猿楽の場面から感じられて微笑ましかったです。2人の異端児の成り上がり物語だからこそ、あのラストはとても衝撃的で辛かったです。しかし、現代における平家物語の伝承の仕方について考えるとかなり納得の出来るラストだったので満足しています。
・ライブシーンについて
今回の猿楽の演出が完全に現代のライブ演出を取り込んだ表現になっており、時代感とのギャップが狂っていて楽しかったです。プロジェクションマッピングの元祖的映写背景、ライトアップの演出などの現代演出とQueenの様な奇抜なロックバンドスタイルが終始楽しく、とても爽快でした。手拍子を求めてくる場面では、一緒に手拍子をしたくなりました。
・声優
今回の声優陣は女王蜂のアヴちゃん、森山未來さん等の本職の声優さん以外の方がメインキャラクターの声を当てられていましたが、とても自然に観れて驚きました。皆さん本当に素晴らしかったと思います。
総評
とても楽しい新感覚和製ロック×ミュージカルアニメーション作品。猿楽の演目内容と物語進行状況がリンクする演出はお見事だったと感じた。
肝心のクライマックスで盛り上がれない退屈感
作り手もキャストも結構有名で良さそうな人選なだけに・・・・、期待し過ぎてしまいました。前半の半ばからテンションが下がっていき、クライマックスでは退屈で眠くなるという映画。正直言って、つまらない失敗作だと感じました。
設定が明らかに手塚治虫の名作「どろろ」なんですが、オマージュなのでしょうか。
序盤はそこそこ良かっただけに、惜しい。
のちに犬王の相方となる友魚が、盲目の琵琶法師になる過去のエピソード。奇形に生まれて孤立無援の犬王が、自由な舞を踊り、生を謳歌する華麗な姿。「この先、どうなっていくんだろう?」と、ワクワク感が高まる良いオープニング、という印象でした。
ところが、それ以降は引き込まれるような、グッと胸をつかまれるようなシーンがなかなか出てこない。心に響くような名場面が無いまま、時間だけが長く進んでる事に気づいて唖然。
この映画、悪い意味でヤバいかも・・・と不安になってきました。
後半になると、もうストーリーとかよりも、長いフェスティバルそのもので魅せる事を主体としている感じ。その肝心の楽曲が長い割に単調で、魅力が足りなくて、やたらと冗長過ぎる。肝心の歌詞も聞き取りにくくて、何を歌ってるのか分かりづらくて、字幕が必要なレベル。歌詞が全部しっかり聞き取れたという観客は、殆どゼロだと思われます。
映像の中だけは凄く盛り上がっているように見せているのだが・・・・それを観ている自分は全く盛り上がれず、共鳴が出来ないという困った事態になってしまいました。
監督はここを一番の見せ場のクライマックスとしているのだろうけど、それを効果的にやるのであれば、ヒットチャート上位に毎週入るほどに魅力的な新曲を持ってくる必要があった。しかし、それが出来てないので、なかなか引き込まれない。単調な楽曲をえんえん長く聴かされると、だんだん苦痛も生じてしまいます。まだ続くの・・・、早く終わらないかな・・・と思うばかりで、終いには眠気が生じてきました。
私は筋金入りのロック好きなので、ロックオペラ風の大胆な試みは大賛成なのですが、映像に出ている和楽器の音が小さかったり、かき消されているのが勿体なく感じます。和楽器も大音量で積極的に取り入れる方向で、この映画ならではの独自性を感じさせる楽曲を作り上げていたら、斬新さも魅力も増して良くなったのでは・・・と思いました。
このライブ・シーンの展開の仕方は、映画「ボヘミアン・ラプソディ」を意識したのかもしれないけれど、これでは音楽そのものに今ひとつ魅力が足りないため、無理があり過ぎました。
それよりはストーリー展開の方を充実させてほしかった。
主演の2人、犬王と友魚がお互いに魅かれた部分が何処なのか、そういう大事な部分での描写が足りないので感情移入がしにくいし、物語の本筋から外れた話に時間を使い過ぎてる気もして、どうにも世界観に入り込めずに、退屈さが増しました。
そして、物語の最後のオチ。
ネタバレは避けたいので言及はしませんが、これがまた酷いもので、呆れてひっくり返りそうになった次第。最初は興味深く見られた犬王の独自な生き方が、最後の土壇場で一貫性の無いものに変えられてしまった失望感。
アニメ映像としての視覚的な部分では見事なシーンがあったし、抜粋としてなら良いシーンもあるので、楽しめる要素はそこそこあるのだが、この映画で何を伝えたいのかという本質的な部分で、ちょっと違和感を感じたし、物足りなさを覚えたまま、モヤモヤした気分だけが残りました。心に残るものが無く、この作品を通して何かを伝えたいと言う映画としてのメッセージ性は薄いと感じました。
映画館に行くと、周囲の観客の反応を肌で感じる事が出来るのが、メリットのひとつです。上映中、観客の数が多かったにしては、全体に余り盛り上がってない空気が伝わり、終わった後の様子も何処か陰鬱な感じ。本当に面白かった映画の場合、終演後に観客から明るい笑顔や高揚感が多く見られますし、初日に観た「トップガン マーヴェリック」では、エンドロール後に大勢の観客から大拍手が巻き起こった程です(私も凄く良い映画だったので、一緒に拍手に加わりましたw)。この映画ではそういうのが見られず、イマイチ微妙な映画を観た後、という感じの虚ろな空気感でした。この映画、原作は未読なのですが、監督の料理の仕方がダメだったんでしょうか。感動が得られないし、とても人にはオススメ出来ません。
あと蛇足ですが、隣に座っていたオタク風の男性客、鼻息がうるさくて、最悪でした。静かな場面になると、この客の鼻息だけが大きく「フースー、フースー」聞こえて、うるさ過ぎ。今までの人生で、誰からも注意されなかったのか?それとも、注意されても人の話を一切聞けない人?他にも混雑してるのに通行の邪魔をして平然としている40代風カップルとか、普段は余り見かけない変な客が目立ちました。この映画に出ているキャストのファンなのでしょうか?この映画館は比較的マナーの良いお客さんが多いのですが、本作では客層もちょっと気になりました。
全281件中、221~240件目を表示