「地球の縮図」ANIARA アニアーラ SF好きさんの映画レビュー(感想・評価)
地球の縮図
バックミンスター・フラーが提唱した「宇宙船地球号」を想起させる作品。
郷愁、宗教、未来(次世代への期待)、など様々な希望に縋りながら緩やかに人々が死んでゆく様が、地球の縮図のように感じられる。
ヒトは過去、もしくは未来に希望があるからこそ生き続けられる、個として種として発展し続けられる。希望を失った人間は弱い。そんなテーマがあるように思われる。
終盤には主人公が盲目になる描写があるが、まさに、過去も未来も見ることができなくなり、縋るものが無くなったことを表現しているのではなかろうか。
最後に、宇宙船が美しいこと座に到達するシーンが印象的。もし、搭乗者がこと座の美しさを認識していて、こと座に行くことを目指していたら別の結末になっていたかもしれない。
余談
・本作の宇宙船と地球はかなり近しい構造をしているしが、なぜ宇宙船には閉塞感があるのか?
種の多様性?空間の広がり?到達可能性の有無?
・コロナで分断された社会にも受け取られた
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