キラーズ・セッションのレビュー・感想・評価
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多角的要素
原題名は「キラーズ・アノニマス」
このアノニマス集会のことをあまり知らない日本だから、この邦題がつけられたのだろうか?
シーンの大半がアノニマス集会に当てられている。
作品の見どころ解説にこの事実が書かれているので、この作品がどんなものなのかは概ね察しが付く。
そんな視聴者をどれだけ欺くことができるのか?
さて、
まあよくこんな設定を思いついたものだ。
加えて、人を殺したい衝動を抱える人間は一定数いるのだろうが、「思うとやるのでは違う」という通りだ。
また、この集会に参加するには本人の過去は必要条件だし、逮捕されたなどのことがなければその情報はないと思われるので、そもそも参加者たちに「何故俺だったのか?」という疑問があってしかりだ。
当然このことは物語の中盤で表現される。
そして、
視聴者を欺くためのミスリードが多彩だ。
冒頭の女性 ジェシカ・アルバさん
彼女の登場そのものがミスリードを誘う。
また、ジョアンナという司会を務める女性
オドオドしている謎の女性アリス
侵入者モーガン(モルガノ)
何よりゲイリーオールドマンさんの役割は、「チャーリーズエンジェル」と同じ型
エンドロールのキャストに、彼が「The Man」と記されていた。
キラーズアノニマスの主催者であり、何度かアノニマス会がって、その最終テストがイギリスで行われるという設定
しかし彼はその会には出席しない。
そのことが出席者たちの疑心暗鬼となったのだろう。
最終の会だけに突然現れたアリスに疑義の目を向ける。
ビクビクしながらいる彼女にやさしく接するレオだが、そんなやさしさなど無用
「不合格者は1時間後に出られる」という言葉さえ通用しない。
この世界の絶対が「ルール」なのだろう。
この会の出席者の当初の話題は、大統領候補だった議員が暗殺されたという報道だが、実際彼は生きていて、こともあろうにこの会に登場する。
当初失敗したのがジェシカ・アルバさん演じるジェイド
彼女が最終的に死んだシーンはなく、ミスリードされる。
同時にスナイパーだったジョアンナは議員の型を撃ち抜いただけで終わる。
そして、
冒頭から「The Man」はジェイドに「すぐここから立ち去れば、最悪の状況はなくなる」というのも伏線
「組織」の命令に従えないものは始末される。
さて、、
この「組織」 目的はいったい何だろう?
ジョアンナの言葉に、「CIA諜報員が大統領になっても、馬鹿な側近たちによって馬鹿にされる」とある。
だから、幼い時から教育しなければならないことを謳う。
物語に出てくる言葉「バウンサー」
この言葉は通常 クラブやバーなどで働く用心棒や警備員を指す。
つまり、店の入り口でトラブルを防ぐ人という意味だ。
ところがここでは、暴力的な過去を持つ人物や殺し屋的な存在及び、殺しが好きな者の総称として使用されている。
やはり組織の目的は「非合法的粛清」のために役に立つ人物を「リクルート」しているのだろう。
ここがこの作品の軸のひとつ
ここに統括する「The Man」 「チャーリーズエンジェル」と同じくミステリアスにしている。
具体的な事件とその失敗を挿入することで、リアルさが増す。
同時に、参加者一人一人の話を聞くというのは、怪談百話のような気分になれる。
視聴者にとって、物語であってもその心境と感じたことを聞くのは、ホラーに近い。
この舞台になった教会
最初は普通の教会だが、帰りには一面ビニールで覆われている。
血の養生のためだ。
このことは他の誰かの存在を感じさせ、同時にバウンサーだけではどうにもできないことを示唆している。
カンパニー(組織)の恐ろしさ
残酷な麻薬カルテルと比較すれば、あくまで紳士的かつルールに則り行われる。
ルール違反者だけが罰せられるが、そもそも殺人中毒者とルールに従うという組み合わせは難しいのだろう。
それ故のリクルート活動
会にいくつかのイレギュラーが発生することで、この会の目的が徐々にみんなが理解していく様子は面白い。
問題は、殺人をした過去や感情などではなく、「何故この会に我々が呼ばれたのか?」ということに気づく過程を描いている。
ここに気づけるかどうか? が彼らの問題だった。
そして、不合格者はやっぱりルールを守れない事実
その様子を逐一聞いている「The Man」
「問題」は、低予算で作った「キューブ」に迫っているかどうか?
個人的には、少しだけ「キューブ」の方が上だったように思う。
舞台を映画に落とし込んだ異色群像劇
まず、「殺人依存症の互助グループ」っていう設定がブッ飛んでて良いよね。各々の殺人に対する偏愛とその克服が語られるのかな?と思ったけど、実際は誰も克服してない。
今のところその衝動を止めてる、ってわけで、最初の殺人や最後の殺人が演劇調に再現されるのは割と好み。
仕留めるハズだった大統領候補の暗殺に失敗した、というところから話が始まり、その大統領候補まで「キラー・アノニマス」に現れたりするからちょっとややこしくなるけど。
CIAから依頼を請け負ってる謎の組織・カンパニーの、現場を嫌う男(ゲイリー・オールドマン)が、子飼の殺人者たちを今後も任務に採用するか否か、というリクルーティングだったわけです。
もっとぶっちゃけると、これはシェイクスピアみたいな演劇調なんだよ。テーマが大袈裟な訳でもなく、荒唐無稽で、転調によってストーリーが進んでいくという。
だから回想シーンは背景とか一切ない真っ白な部屋だったりする。
ゲイリー・オールドマンと電話で話してるロスの殺し屋が急に隣に出てくるのも、演劇だと考えれば辻褄があう。すべては演劇なのだ。
殺人という、精神に負荷がかかる行動を能動的に行える人材(?)は貴重だが、ある程度カンパニーが行動をコントロール出来なくては仕事にならない。
昔の知り合いに話しかけたり、カンパニーの指示に従えなかったりする者、任務を失敗する者を炙り出すための、練りに練ったリクルーティング計画。それが「キラー・アノニマス」だ。
ラストシーン、ゲイリー・オールドマンがロスで若い女性に声をかける。
「心配要らないよ」
それはロンドンでアリスにかけた言葉と同じだ。
舞台をアメリカに移して、またリクルーティングが行われるであろう余韻を残し、映画は終わる。
アメリカでのホステスを務めるのはアリスだ。
彼女が手掛けるリクルーティング作戦は、どんな運びになるのか。
あまり派手なアクションはないし、大きく映っているジェシカ・アルバの出番はほとんど無い。
文句の一つも言いたくなる気持ちはわかるが、今まで散々人を殺してきた暗殺者たちの、悲喜交々の群像劇として(その悪趣味さも含め)、悪くない映画だった。
絶賛するほどではないけども。
ゲイリー・オールドマン主役?
起承転結で言えば、“起起転起”といった感じ
ジェシカ・アルバの無駄遣い。と思っていたが、アクションシーンがあったのは彼女だけだったかもしれません。会話劇ならば会話劇としてもっと展開があればいいのですが、「初めての殺し」について一人一人トークするだけ。上院議員が殺されたというエピソードにしても、その映像が流れない上に、実は生きていたんだよ~と登場してから細かに説明されるといった意味不明の流れ・・・だから何??
ストーリーをまとめようとすると、いきなり部外者の女の子が“殺人者の会(キラーズ・アノニマス)”に参加してきたため、みな疑心暗鬼となるが、実は実は新しいリーダーであった・・・と、なるのだろう。そんな単純な話を、各自の与太話を絡めて、ミステリーっぽくしようとしたため、失敗してしまったという感じ。
じゃ、ゲイリー・オールドマンの役目は何なのだ(彼がAnonymous?)?とか、CIAからロシア政府へと裏切り?とか、わけわからんよ。
最後だけで良いです
使い捨てジェシカ・アルバ
オスカーをとったからと言って!?
Killers Anonymous。通称:KA。よく外国のテレビなんかで登場する個人的な悩みや心配事を打ち明けるミーティング形式で椅子を輪のように並べ、ランダムに話を始めることをご存じならこの話に入るのに役立ち、特にアルコール依存症などに見られるものがある。それを今回の映画が、過去に起こした“殺人"をテーマに男女数名が告白形式で話が始まる。
この映画は、表向きは主催者もはっきりしない謎のミーティングと思わせておいて、実はこのようなからくりがありましたという、ある意味、軽いどんでん返しがあり、話に面白みを持たせようとだけしているが.....? それがわかった時には、あ~ぁ、"そういうことね”だけで終わってしまう、しょうもない、こじつけのような話になっている。
オスカー俳優の仲間入りをした謎の男役をしているゲイリー・オールドマン。なぜ彼が、このような映画に出たのか謎で、オスカー主演女優の最初で最後の有色人種女性の言葉「いくらオスカーを獲ったって、つまらないものはつまらない。」だって!
アメリカの映画レビュー Webサイト、RogerEbert.comの一部コメント「この映画は、視聴者からより多くのを注目を集めようとすればするほど、この映画は、ますます、その価値をなくしている。」発行部数全米4位で中華系アメリカ人がオーナーのLos Angeles Timesのコメント「ある意味オールドマンの存在が大失敗の現われで、まさに一つの確かな使用のために時間やお金を浪費する代わりにあやふやな考えなのに多くの良いものとして詰め込んでいる。」日刊紙に高級というものがあるとするならこの新聞紙らしいのだが、全米第3位の発行部数のNew York Timesのコメントの一部抜粋「この映画は、批評家を絶望させ、さもなければまともな俳優が彼らの関与を後悔させるような映画である。」
オスカー受賞者を含め7人ほどの映画に対しての考えを話しているところをYouTubeなんかで見ているとトム・ハンクスと比べるといたって落ち着いたゲイリー・オールドマンの英国紳士の人柄を垣間見ることができるし、「レオン」や「フィフス・エレメント」で見せたエキセントリックな演技は、想像もつかないものとなっている。それでは、何故、こんな映画に出演したのか.....? 謎
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