「最初の涙の意味を考えてしまった」猿楽町で会いましょう kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
最初の涙の意味を考えてしまった
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予告編だけを応募させ、一番面白そうな作品には長編を作らせるというアイデアはとても面白い。本作はそんな少し変わった映画賞のグランプリ作品。
一つの物事に対して立場が変わるとこんなにも見え方が違うのかと感じる構成。「イニシエーション・ラブ」(映画版は観てなくて小説の方)を思い出した。いや、もう最初のパートからユカの怪しさはわかりやすくて、いるよなぁこんな感じの女性って思いながら観ていたから、ユカのパートに来てもさほど驚きはしなかったのだが。
これは自分が男だからだと思うが、やっかいな女に惚れたもんだなーという感想になってしまう。ちゃんと本性がわかってよかったねと。それくらい嘘で固めたユカはかなり痛かった。それでも自分を受け入れてもらえない感情を抱えて、あの後ユカはどうなるのだろうと少し心配してしまう。
観ながら先人たちの言葉を2つ思い出した。「嘘で嘘を固めると自分が苦しくなる」と「浮気がバレても絶対に認めるな」だ。でも、さすがにゴムが見つかった状態で浮気を認めないのは難しい。あの状況でも知らない!やってない!と言える彼女のハートの強さもすごいけど。あれ、最初の涙の意味って何だったんだろうと少し考えてしまった。なかなかうまい作りだ。
最近の日本映画は、こういった雰囲気のドロドロした恋愛映画が面白い。これからも期待したい。
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