「最高でした」ジョアン・ジルベルトを探して たろうさんの映画レビュー(感想・評価)
最高でした
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最高の映画でした。こんな話が現実にあるものなのかと驚くようなストーリー。伝説と言われるミュージシャンがメディアに出ないどころか、友人や家族にすら会わない生活を送り、今なお音楽を作り続けてるなんて想像できますか?成功者が隠居して穏やかな余生を過ごすとかそういうレベルの話ではないです。作中にも出てくるように「ジョアンジルベルトは本当に生きているのか?実在の人間なのか?」と疑いたくなるような状況で、なんとかして本人と会うために試行錯誤する道中を記録した映画です。
作中の音楽も素晴らしいです。有名な曲が作られた背景なんかも垣間見えて、にわかボサノヴァファンとしては興味深かったです。とくに「小舟」のシーンは映像と曲がマッチしていて鳥肌が立ちました。
日本でボサノヴァと言えば心地よい BGM の印象がありますが、この映画を見ると「歌」なんだなと思い知らされます。みんなギターひとつあればボサノヴァを歌い出すんです。
そしてラストシーンもこの作品を象徴する素晴らしいものでした。もしラストに本人が笑顔で出てきて握手でもしていたら興ざめでしょう。まさにこれしかないという終わり方でした。
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