劇場公開日 2020年1月11日

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「普通にやればしょーもない表現になりそうなのを、音楽的/体験的にすごい表現/パワーへと昇華」音楽 kizkizさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0普通にやればしょーもない表現になりそうなのを、音楽的/体験的にすごい表現/パワーへと昇華

2020年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

シュールな調子のアニメ映画。
なんだか関西アングラの空気。

全シーンが手書きってのがすごい。
ただ歩いてるだけのシーンですら妙な迫力がスクリーンから発せられています。
普通にやればしょーもない表現になりそうなのを、音楽的/体験的にすごい表現/パワーへと昇華してる。
見事!

今作のなにが1番スゴイってシンプルに音楽がすごいのです。
初期衝動がすべてである”主人公たちの音楽”の魅力が伝わってくる。

原作では表現:漫画(絵/擬音)→ 受け手:脳(空想)と形の無かったモノを、アニメーションで”表現”することに見事成功しています。

音楽シーンでは”うおおお!”とアドレナリンが放出しまくりでした!特に最後のフェス!
この体験を映画で味わえるとは~。震える!

絵はチープ。ほぼ棒読みのセリフ。個性的な間。
とっかかりは”ん?なんじゃこれ?”と思うけど、次第にそのノリが気持ちよくなってきました。

ジャケパロディとか音楽的な小ネタもいっぱい挟まってそう。
某バンドが”え、そんなダイレクトに出てくるの?”って吹き出しそうになったり
見る人が見れば確実に楽しめる映画。

ただ一般の人にあの”音楽”が伝わるかは謎。
ボアダムス……いやせめてD.A.N.の良さがわかるならOKなはず。

主人公もいいけど、なにげに友達ふたりがいい味だしてるよなー。
花道軍団的な。なんか安心する信頼感。

kizkiz