「映像の色調にも気を配った丁寧な作り。」架空OL日記 yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
映像の色調にも気を配った丁寧な作り。
バカリズムという方の漫才もドラマも全く未見の観客によるレビューです。
ほぼ全編が彩度とコントラストが弱めの映像で、独特の雰囲気を醸し出しています。
この画面の調子も作品の重要な構成要素となっていることが、結末のある展開で明らかになります。その展開はそれほど斬新ではないし、意外性もありませんが、映像表現も仕掛けとして活用する入念さが印象に残りました。
バカリズム自身がOLに扮している姿は、当初は奇異に感じましたが、変に女性的な言動をせず自然に振る舞っているため、いつしか全く気にならなくなりました。この変に受けを取りに行かない姿勢は
一つひとつの演出、挿話は面白いのですが、日付の変化以外に物語の主筋を窺わせる要素がないため、どこに話が転がっていくのかが気になり、体感的に上映時間がやや長く感じました。結末の仕掛けを窺わせるような伏線を作中にいくつかちりばめるなどしていれば、展開に一定の緊張感が出たのではと思いました。
いくつか笑いどころが分からないところがあり、個人的な評価としては少し低調になりましたが、ファンの人には十分楽しめるんだろうな、と感じました。
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