「タイトルなし」ロスト・ストレイト ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
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イラン・イラク戦争をイラン側の視点で描く。映画自体は物語としてはつまらない。戦場をリアルに表現しており、砂埃、暗闇で映像も見にくく、ちぎれた腕を元に戻すべく、その人へ運ぶなどグロいシーンも沢山あり。兵士にはそれぞれ子供や親家族があり、誰も戦地に赴くのを望んでいない。一人が少年に戦争で勝者はおらず、武器商人だけが勝つと、重い言葉。結局、戦っているのではなく、祖国を守るため、家族を守っているだけと。何と言っても戦闘シーンはリアルで、銃弾、砲撃飛び交う中、倒れた兵士を助けに走り回るシーンは、絶対に真似できず、想像を絶する。兵士達も死に物狂いで動き回り、喉乾くと言うが、見ていてこちらも喉が渇いてくる。頭に銃弾を受け、死の自覚もないまま、地面に横たわり、頭から血を垂れ流し死んでいく。5日後に停戦が締結されるが、イラクの侵攻を食い止める切っ掛けとなった部隊は混乱に紛れて死んでいき、歴史からも忘れ去られる。一体、何なんだろうと重く心に残る。
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