ブラインドスポッティングのレビュー・感想・評価
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今年のベスト10本に入りそう
不本意な理由で逮捕、服役していた黒人コリンと、彼の幼なじみの親友の白人マイルズの、あと3日でコリンの保護観察が終わるという最後の3日間を描いた映画。彼ら同士は親友だが、世間は人種差別が根強く、黒人というだけでパトカーがまとわりつく一方で、彼らの地元オークランドは差別と正反対にありそうにも思えるジェントリフィケーションで外からリッチな人間が移住してきて、実は格差が広がる一方。何とか真面目に生きようとしているコリンに対して、少し危なっかしいマイルズだが、白人なら生きやすいというものではないのが人種差別で、マイルズもそれなりに複雑な思いをしている。といっても彼ら2人の掛け合いは面白く、観客みんなコリンを応援しながら観てたんじゃないかな?
アメリカの問題と思わずに観たい。
観たかった!観てよかった!
取り扱う題材やタイトルの意味を考えると難しい映画なのかと思いがちですが、ヒップホップ文化を大胆にスクリーンに投入している、とても面白い映画です。
主人公と一緒に見てる側の心理を追い込む描写の展開も迫力があり、キャラクターもそれぞれ魅力的で、他の映画ネタも入れていたり、映画館で観ていても客席から笑い声が漏れていました。
盲点、というタイトルの通り、ふたつの人種をある意味同列に比較しているところがあると思います。
あまりこういったテーマの映画を観た時になったことのない心理状態になったと思います。
いい映画体験でした。
今年に入ってからグリーンブック、ブラッククランズマンと連続して観たので、この映画もとても楽しみにしていました。
それぞれ違った視点の映画で、見解の深まるところがあると思います。映画を益々好きになりました。
異なる差別問題を強く訴える素晴らしく力のある映画でした
脚本もカメラワークも粗削り!でもその粗さこそが力強くメッセージを訴えかけてきてとてもよかったです。
黒人の町、小さなころから共に生き同じものを見て通じ合っていると思っていた二人。
黒人の町で移入してきた白人からの迫害に恐怖し萎縮しおびえる男。
黒人の町で一人、黒人になることも白人として生きることもできず差別に憤る男。
近くにいて似て非なる悩みを共に抱え、鬱屈して。歪んでも曲がってもそれでもこの町で生きていくことしかできない諦めと開き直り。
根深い差別を2人の別の視点で切り取り、真っ向から力強く訴えてくる意欲作でした。
スラングがわからなかったが・・・
肌の色で差別を受けている黒人。ホワイト・トラッシュの白人がお互いに疑心暗鬼している構造は絶妙。ただ、スラングの意味がわからなかったので、コメディ部分は笑えなかった。秀作。
盲点て意味なのね
これは当たり!
ミニシアターでこういうの見るとホント見にきてよかったなと思える
アメリカの普通にある重い問題を軽やかにかつリアルに見せてくれた 基本的には笑える場面が多いけどところどころでスリルも味わえる
子供が銃をいじっている場面は思わずアブナイ!て声出てしまった… でもこれがアメリカの現実なのね…
主人公の2人は昔からの悪友で何をするにも一緒。 たぶん元来の性格も...
主人公の2人は昔からの悪友で何をするにも一緒。
たぶん元来の性格も似た者同士なのだと思います。
でも、肌の色が違う。
それだけで迫られる生き方が違う。
コリンは様々な制約を課されて自由を奪われて生きなければならないし、マイルズは生まれ育った土地で黒人社会から(実際オークランドの人種比率がどれほどなのかは知りませんが…)爪弾きにされ…
2人の望むとに関わらずそれぞれの社会からかけられるプレッシャーがひどく悲しいです。
壺にも顔にも見えるけど、人間は2つを同時には認識できない。
本当に?まだまだ答えの出ない問題だと思います。
安穏として生きられないハードなアメリカ
オークランドを舞台に親友の黒人コリンと白人マイルズのハードな生活を切り取る。
血の気の多いマイルズが保護観察中のコリンを再三ピンチに陥れる。少しは友達を選べよという感じのイライラが今作のストレス。
しかし重いヒップホップにグイグイ前へ引っ張られた。「オークランドと言えばタワー・オブ・パワー」という我々オールドファンへの気遣いも泣かせる。
そしてコリンの人種差別や警察の暴力に対する怒りが爆発するラストが超クールだった。
暗闇の中、ゆっくり巡回するパトロールカーの不気味さとライムの効いたラップが響き渡る場面の落差が凄い。新たな手法でレイシズムを強烈に糾弾する作品。
冒頭のショッキングなシーンの後のラップに乗って繰り広げられるコメディシーンとの落差が凄い。そのシーンの恐怖を語る主人公コリンに”14発撃ち込まれた奴に比べれば4発だっただけましだろう”などというセリフが平然と語られる。
が、時折挟み込まれるレイシズムに対する製作者達の強烈な怒りのシーンの数々には息を飲む。(霊園の墓石の前に何らかの理由で殺された黒人たちが静かに立っている風景・・・)
とりわけ、後半のその4発、撃ち込んだ白人警官と主人公コリンとのラップミュージックが激しく鳴り響く中、相対する手に汗握るシーンには瞠目させられる。そして白人警官が口にしたセリフ。
現代アメリカが抱えるレイシズム問題を新たな手法で描きだし、世の風潮を強烈に糾弾する傑作。
スッと気持ちの中に入ってくる
どうオススメしたらいいかわからないんだけど、観てよかったとすごく思っています。
上から目線じゃなく、押し付けがましくなく、ただそこにいる人がそう思う。それだけの話。だからいい。そこがいい。観終わって嫌な気持ちになったり、じっくり考えちゃったりでもなく、ただ「気持ちの中に入ってくる」感覚がとてもいい。ややこしくて難しい問題だけど、そう言うことについて日頃なにかと偉そうなことを言ってる人こそ観て欲しいです。
本当に理解するのは難しいのでは
今は高級化が進み、元々住んでいた貧困層の人たちが少なくなってきているというオークランドが舞台の社会派作品
黒人差別という重いテーマですが、軽快な音楽のおかげで観やすかったです
銃社会のこわさを改めて感じるシーンは心に重く残ってます
子供があんな練習をするなんて
そして、白人の人たちには無縁な、黒人の人たちが常に抱えてる心配が伝わってくる終盤
日本に住む日本人の私には本当に理解はできないんでしょうけど、この作品から伝わってくるアメリカの問題は考えずにはいられません
持つべきものは
122本目。
アメリカの今を反映してると思うし、センスだったり、衝撃的だったり、切なかったり。
持つべきものはと思うけど、切れないのもまたなんだよね。
ただ弱さを補うものに持つべきはと思ってしまう。
ラストシーン
本当にミニシアター系の作品は観終わったあとの満足度が凄い…。
とてもとても深い黒人差別問題で、わたしが到底理解できることではないのですが、
ラストのあのシーン…いやー凄く、なんていうか胸にきました。
単純に全編通して、ずーっとヒップホップが流れてて、ハイテンションで汚い言葉を言いまくってるのですが…
サマになってるからカッコ良いというか。
でも改めて本当に、全く違った環境や価値観で生きる人たちの視点を知れるって、やっぱり映画ってすばらしいなあ。と思う作品でした。
ポップな明るさと鋭い洞察
見終わって暫く、眉間に皺を寄せて、ウーン…と唸ってしまった。
人種差別を扱った作品は多いが、本作は、こじんまりとしていながら、深く鋭く人間の本質に切り込んでいる。痛い所を突かれ、ハッと我が身を振り返させる。
黒人側の恐怖や怒りだけでなく、白人側の痛みや困惑をも拾い上げているのが、特に秀逸に思える。
差別問題の根の深さ、扱いの難しさを、誤魔化し無く彫り出す。
タイトルは、作中に出てくるだまし絵を表現した造語から。向かい合う二人の顔と一つの壺、どちらの見方もできるだまし絵。片側しか見えないなら、もう一方は盲点。でも教われば、違った見方ができるだろう?いや、脳の働きはそんなに容易ではない。反射的なレベルの印象や判断は、簡単に変えられるものではない、と。
差別や対立、他人への評価といったものの本質を言い当てている気がする。差別はいけない事、公平に、誠実に、善良に。問われれば理性が倫理的正解を導き出す。しかし、咄嗟に抱く好悪や先入観は強固で露骨だ。自らの心の奥底に、その根が深く絡み付いてはいないか。
粗野で粗暴で無知な黒人という色眼鏡。尊大で気取りやで鼻持ちならない白人という色眼鏡。
俺達の気持ちなんて解るもんか。そりゃ解らないよ、他人になる事などできないんだから。けれど、それではいつになっても相手を理解できない。
どうすれば。向き合い、探り、考えながら、少しずつ距離を縮めていくしかないんだろう。しかしそれには、傷つき、傷つけられる痛みが不可避だ。その覚悟と勇気が、お前にはあるかい?
そう問い掛けられているようで、弱虫の私は、尻込みしながら、ウーン、世界ってムツカシイ…、と唸ってしまうのだった。
主題とは少しずれるかもしれないが、銃社会についても、この作品は問いを投げ掛けているように思う。
自衛の為、家族を守る為。解るけど、容易に殺傷力のある道具が手に入る環境で、事故にしろ故意にしろ、そりゃ人死にが起こらん訳がないよなぁ…。
では、身の危険に曝された時、抗う術もなく倒れるのが善か。身を守る権利は、反撃の是非は。恐怖が武器を取る最大の理由なら、一度許せばもはや際限はないであろうが。
こちらの問いにも、現状のアメリカ社会では、容易に答えは出まい。ウーン、でもでも…と唸りが漏れるばかりだ。
提示される現実は難題だが、決して後味は悪くない。ヒリつくような恐怖感に追い詰められ、どうなってしまうのかと息を飲みはするが、救いのない描き方はされない。軽快なラップのリズムや繕わない軽口が、重い内容を楽しく彩り、下町の日常、平凡でかけがえない人間関係が、舞台を身近な距離感に引き寄せている。
テーマの取り上げ方や切り口はとても好きなのだが、ビジュアル面の表現の仕方は荒削りで、あまり好みではなかった。
舞台に会わせて敢えてとの可能性もあるし、ポップで現代的という見方もできる。あくまで個人的な嗜好の上では、です。
ブラインドスポッティング
すごいリアルで良かった!
人種間問題、Nワードについての問題を、さりげなく伝えていたと思います。
黒人の中で黒人同様に育った白人、アジア人、黒人というだけで犯罪者にされてしまう日常。
日本に住んでいる自分達には普段感じれないことがリアルに伝わって、何度も泣きそうになりました。
でも、ボンサグのクレイジーボーンネタにはクスッとさせられましたが…
リアルなシーンにリアルなラップが心に響きました!
トレインスポッティング?
狙って邦題つけたなあ、と思ったら原題のままでした。
このタイトルの意味も映画の中で明かされます。
ただ自分には合わなかったなあ。
なんかとにかくうるさい映画だった、って印象。
人種差別が大きなテーマになっていて、最後の方主人公が警官に向かってラップをする所でやっと共感の気持ちが生まれました。
あれがなかったらもっと評価低かったな。
2019年下半期ベストでは
面白かった!!コメディぽく微笑ましい場面も多く、それと共に根深い日常の人種問題。1つのものが意識しない瞬間に別のものに見える事がある。権力を持つ人は特にその多面性を自覚しないと危険だという深い意味をもつ作品だった。オバマ元大統領がおすすめなのも納得
安易に〝判る〝とか言えない話
黒人というだけで、白人社会では理不尽なハンディを背負って生きていかないといけない世界。
白人というだけで許されてしまう世界。
白人の中にある差別意識が悪ではなく、仕方がないこと、当たり前のこととして日常に存在する世界で生きていかないといけない黒人の思い。
そういうのがヒリヒリと伝わってくる内容です。
人種差別されたりもしないし銃社会でもない世界で生きている日本人が、安易に「判る」とは言ってはいけないのかもしれないけど、、、
でも、やりきれない話ですわ、、、
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