「ラストと随所に入る主題歌が釈然とせず」朝が来る tackさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストと随所に入る主題歌が釈然とせず
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独特のドキュメンタリータッチな演出方法が秀逸で、特にベビーバトンの特集は、どこかから拝借してきたのかなと思うくらいリアリティがあった。
特に母役の永作博美さんやベビーバトン代表役の浅田美代子さんも素晴らしかった。
養子縁組側からの描き方と実の母側からの描き方が均等だったのは良かった。
しかし、最後の互いに交わした『ごめんなさい』には私自身はあまり理解できなかった。
まず養子縁組の母からは何一つ謝る事はないのかな、と思う。
実の母が急に訪ねてきたのを疑ってしまった事に対してか。
手紙に書いた後、消された『なかったことにしないで』と言う言葉をわかってあげなかったからか。
もしくは幼稚園で他の子とトラブルになった時、少しでも子供に対して疑いを持ってしまった事への
罪悪感か。
いずれにしても実の母に対する『ごめんなさい』は必要あったのかな、と個人的には理解できなかった。
また実の母が同僚に裏切られて金銭的に苦労している故、実の子を理由にお金を要求するわけだが、そのシーンももっと汚く描いても良いかなと思った。
意外とあっさり引いたし、泥臭くないし、あまりに美化されていたような気がする。
あと、主題歌をあんな何回も使う必要があったのか。
何度も劇中でかかるため、歌詞をちゃんと聞いてみたのだが、
それほど映画にズバッと来る感じでもなかった。
皮肉ながら少し前に観た『糸』という作品がかぶってしまい、
それと比べると、正直インパクトもなかった。
それに最後に子供に歌わせるのは正直安易と感じた。
私の敬愛する映画評論家さんたちも高評価していたが、
イマイチ私の心にぐっと来るものはなかった。
そんな映画もあるよね。
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