潤一のレビュー・感想・評価
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何度も観たくなる作品
映画ではなくVODで6話とメイキングを鑑賞。
志尊淳の作品に対する想いと、彼の美しいベットシーン。作品が彼が23歳の時の公開である事を考えると驚きだ。
「官能的」「初ベットシーン」と囃し立てられて鑑賞した方もいるかとは思うが、決して、生々しいものではなく、どこまでも美しく、潤一との交わりは「優しい綿に包まれた天蓋の中の出来事」の様で、で夢なのか現実なのか、不思議な感覚に陥る。鑑賞し終えた後は、小説を読んだ後の読後感とも似ている。
それは、原作が小説だからと後で知るのだが、原作を読み、世界観の見事な映像化、更に原作を活かしつつそれぞれの話に伏線が貼られているという、脚本の素晴らしさを感じぜざるを得ない。そして掴み所のない潤一を志尊淳が見事に体現している。
プロット自体はエンターテイメント性を重視しておらず、小説が原作なので、そう思って鑑賞する事がお勧め。
何度も観たくなり、原作も何度も読みたくなる。
潤一をそのまま感じる作品
原作は以前読んでいたので、ストーリーは知っていた上での鑑賞でした。(後編)
映画で描かれていたのは、
原作で言うと後半に出てくる3人の女性と、つかみ所のない所在なさを醸す潤一との物語。
個人的に出会い系で男を漁ってその日暮らしをする美夏と潤一のストーリーが好きだったのですが、とても原作に忠実に描かれていたように感じました。
潤一が美夏の部屋に居つくようになって、出て行ったきりもう戻らないのではないか、という美夏の不安感や、自分も出会い系をやっているのに、女との所に出かけた潤一にイライラを募らせていたり、そういった感情の機微が、言葉ではなく演技でとてもよく表現されていた。
そんな相手の感情に対して、潤一は寄り添ったり、すごく距離を感じさせたり。
ただ一方で、潤一の所在なさや多くを語らない人物ゆえに、予備知識のない(原作未読)人は、雰囲気から潤一像を描き出していかないといけないのだろうなと思い、映画ではあるけれど小説みたいな映画だなと思いました。
映画では3人の女性との関係を通して潤一という人間像が描き出されたが、果たしてドラマ版はどんな感じなのか...作品全体のイメージがどう変化するか楽しみです。
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