「混乱しながらもなんとか理解した(汗)」出国 造られた工作員 mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
混乱しながらもなんとか理解した(汗)
西ドイツと東ドイツ、北朝鮮と韓国。秘密警察やCIAも出てきて、誰がどんな立場で、どんな目的でどう動いているのか?というのが、最初は理解できず頭がこんがらがってきて、途中見ながらメモを取ったり、後で調べたりしました。友人で弟のような存在のムヒョクは安企部要員で主人公ヨンミンを監視している立場にあるけれども、信頼は堅いというのも見ているうちに、だんだんわかってきました。
映画の冒頭にありますように1986年が舞台。
主人公オ・ヨンミンは韓国で民主化運動を行っていたため、韓国への入国を拒否され7年前に西ドイツに亡命。経済学者だが「北朝鮮へ行けば学者として箔が付き英雄になれる」と誘われ北朝鮮へ向かう。しかし、約束は果たされず北の工作員にされてしまう。
工作員の命令で家族と一緒に西ドイツへ向かうのですが、自分の選択を誤ったヨンミンは空港で逃亡を図ろうとするも失敗。妻と下の娘ギュオンは北の人質となってしまいます。上の娘ヘウォンとヨンミンは必死になって妻とギュオンを取り戻そうとするのですが、過酷な結末が待ち受けていました・・・。それにしても、娘一人、車に置いて偵察に行くなんて、危なっかしい。
ハラハラドキドキはありますが、やや地味な感じもしました。実話がベースだからというのもあると思います。でも、実話だからこそ結末はリアルで本当に悲惨だと思いました。
ラストの娘の大きな写真の光景はよかったです。静かで美しく寂しくて。でも、妻は?次女は??と気になってしまいました。写真展のチケットは何故2枚だったのか?? 1枚は後生大事に記念に取っておけという意味なのか。送ったのは、友人のムヒョクのようですが。
後で知ったことですが、モデルになった主人公は呉吉男(オ・キルナム)という方で、『恨・金日成ー金日成よ、私の妻と子を返さぬまま、なぜ死んだ! 』という書籍も出しているようです。本は読んでおりませんが、実際は(映画のその後)もっと悲惨だったようです。(T T)
<備忘録>
主人公(経済学者)・・・オ・ヨンミン
ヨンミンの妻・・・ウンスク
ヨンミンの娘(姉)・・・ヘウォン
ヨンミンの娘(妹)・・・ギュオン
オの友人だが韓国安企部要員・・・チェ・ムヒョク
北朝鮮工作員 リーダー・・・キム参事
北朝鮮工作員(最初に殺害される)・・・ペク・キョンス
北朝鮮側の権力者 課長・・・チェ・ギチョル
祖国平和統一委員会 副部長・・・キム・ヨンホ(カン・ムンファン)