「サクセスストーリーは元気出るね」パリに見出されたピアニスト seitenariさんの映画レビュー(感想・評価)
サクセスストーリーは元気出るね
もっと天才肌らしく表現させてあげれば良かったと思う。音楽の天才は、何はともあれ音楽最優先するはず。それこそが天才。ちょっと中途半端だったかも。もう少し設定年齢を下げていたら良かったかな。
マチューは泥棒を働いている最中に(駅のヤマハではなくスタインウェイのグランドピアノを見つけてしまい)ショパン弾き出す。逮捕されるまで我を忘れるほどなのだから、音楽院でピアノだけやってろと言われて嬉しくないはずがなかろう。ピアノ弾きたくてウズウズする雰囲気なんだから。
また、何故彼のピアノが素晴らしいのか?
"子どもの心を持った大人"という表現をするのなら、その辺のところをもっと伯爵夫人なりがセリフで伏線として出しておかないと。
天才を表現するのは難しいかもしれない。だって吹き替えは素晴らしいピアニストのではあるかもしれないが稀有な天才ではないのだから。だからこそ、その辺の天才であることの説明は映画の中で必要なのではないか。手解きのお爺さんのエピソードはもっとあって良かったはず。
フランスの抱える問題を表現したかったのだろうが、不良グループやセレブな黒人の女の子とのやり取りで散漫な感じになってしまった。埋もれていた天才の苦悩、天才だからこその苦悩をもっと掘り下げてほしかった。
でもね、こんなサクセスストーリーは見ていてやっぱり元気になるよね!
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