劇場公開日 2019年9月27日

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「グッドウィルハンティング@クラシックピアノ」パリに見出されたピアニスト おかずはるさめさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0グッドウィルハンティング@クラシックピアノ

2019年10月5日
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鑑賞方法:映画館

とにかく演奏シーンが美しい。

全面ガラスを通した光が溢れる練習室。
照明を落としたホールでライトに照らされる国際コンクールでの主人公のプレイ。

さすがは芸術映画で名高いフランスの作品。ウェルメイドな感動お涙ものでも、格調高いルックで最後までうっとり。

重く大きく響くピアノの音もいい。映画館で見ないと、これはきちんと評価できないでしょう。

プロットは表題のとおり。

才能と自我は表裏の関係にある。自惚れで、多くの才能が大成しないままつぶれてゆく。
他方、才能が演奏の最大の動機である。表現することと生きることが等価であり、それにどんなためらいも無い。わたしたちはそのような人を天才という。
この作品は優れた伯楽(マスター)たちが、天才を世に送り出すための努力を描いた映画である。

マスターたちは演奏者としては、大成しなかった。それでも、才能を見いだして全力で育てあげることで、マスターたちの人生にまた別の福音がもたらされた。わたしたちが社会のために後進を育てる所以である。

鼻っ柱を折られる主人公、主人公の背後で動く陰謀、怪我による挫折、思わぬ伏兵、一度あきらめかけたところからの復活。

音楽スポコンものの定番が全部ある。気軽に見て、感動の落涙をぜひ体験してほしいのです。

おかずはるさめ