劇場公開日 2020年2月28日

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「久々に効いたぜ、三池パイセンのラブ&パンチ!」初恋 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0久々に効いたぜ、三池パイセンのラブ&パンチ!

2020年3月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

(間違って削除してしまったので、再投稿。焦った…)

三池崇史初のラブストーリー。
あの三池がラブストーリー…?
勿論、単なるラブストーリーを手掛ける訳がない。
近年駄作続いていたが、久々に嬉しいくらいに三池節大炸裂!
アンタの復活を待ってたぜ!(←最近駄作ばかりで嘆かわしいと散々言ってたくせに…)

しがないボクサーのレオ。突然試合中に倒れる。
病院で診察すると、脳に腫瘍が見つかり、余命宣告を受ける。
あまりにも唐突な事とどん底の人生に絶望し、歌舞伎町の街中をさ迷う…。

その歌舞伎町で、悪徳刑事と若ヤクザが組んで、組の大量のヤクを盗もうと画策。
決行するも、利用された少女モニカが突然逃げ出す。
その逃げた先に居たのが、レオ。
咄嗟にモニカを追ってきた悪徳刑事をKOさせてしまった事から…!

三池監督Vシネ時代を思わせるような過激なアクション、バイオレンス、
荒唐無稽な怒涛の展開、
オフビートな笑い、
それでいてちゃんとラブストーリーとして着地。
もはやジャンル分け不能!
…いや、一つのジャンルがある。
そう、これは紛う事無き“真っ当な”三池ムービーなのである!

興奮と爽快感と疾走感すら感じさせる。
そんなブッ飛んだ作品には、クセ者キャラとクセ者キャスト。
窪田正孝がこれまでで最高の漢っぷりと実力を魅せ付ける。
ヒロインの小西桜子も男なら守ってあげたくなるような魅力。
だけどやはり、周りのヤツらがヤバい!
大森南朋の悪徳刑事っぷり、染谷将太のさすがのクズっぷり、内野聖陽の昔気質の頭ヤクザっぷり…他、皆ドハマり!
中でも強烈インパクトを残すは、まさかのベッキー! 見たら誰もが語りたくなるくらいの狂演を披露!

話が進むにつれどんどん入り乱れ時々こんがらがったりもするが、登場人物たちに多少の接点あったりして、伏線張られたオリジナル脚本も面白い。

主人公男女の逃避行。
追う悪徳刑事と若ヤクザ。
ヤクザとチャイニーズ・マフィアの抗争。
そして、復讐のベッキー!
生き残るのは誰か、予想も付かない争いと愛の行方は…!?

これは、バイオレンス×アクション映画である。
東映伝統のヤクザ・ムービーである。
過激なコメディである。
ラブストーリーである。
そして、

どん底に堕ちても、再び立ち上がる。
人生が変わるような出来事、人生を変える運命的な出会いが待っている。
三池崇史から現代を生きる若者たちへの熱い激励。
久々の三池パイセンのラブ&パンチ、効いたぜ!

近大