「見どころ満載、SF大作2本分のこってり感」流転の地球 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)
見どころ満載、SF大作2本分のこってり感
日本円換算で製作費約55億円(中国のSF映画で過去最大)、昨年に中国と北米・オーストラリアで公開され、本国で史上3位の興行収入を達成した超大作。太陽系が300年以内に破滅すると分かり、世界各地に推進装置を建造して地球ごと別の恒星系へ移動するという、笑っちゃうほど壮大な話だが、セットの質感もVFXのクオリティも予想以上で、大いに楽しめた。
木星でスイングバイしようと接近した際に推進装置がトラブって軌道がずれ、このままでは木星の重力につかまって衝突するという事態に。地上ではベテランから若者まで多様な面々が装置の復旧に命を懸け、一方で地球をガイドする宇宙ステーションでもある飛行士の孤独な戦いが展開。地球でのチーム戦と宇宙での個人戦の双方に見どころが多く、それぞれで映画1本作れるのではという充実ぶり。SFの過去の名作・話題作を彷彿とさせる設定や展開も多々あり、ジャンルのファンなら一層楽しめる。
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