「出番の多いシライサン」シライサン mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
出番の多いシライサン
主人公の瑞希(飯豊まりえ)が親友の加藤香奈(江野沢愛美)から、結婚披露宴にからむ怪談話を喫茶店で聞くところから始まる話。
香奈はその後、眼球が破裂して変死。一方、香奈の友人の鈴木和人も同じくシライさんに呪い殺され、その兄の鈴木春男(稲葉友)が瑞希とともにシライサンの謎を探りながら後半まで続きます。
鈴の音とともに現れる、異様に目の大きな謎の女幽霊?シライサンが、そのシライサンの存在を知った者(シライさんの名前を知った人)を次々と呪い殺していくのですが、ホラー系にしては、わりと静かな映画で地味な感じ。「よーし、怖い映画みるぞ〜」と意気込んで見ると、インパクトが弱くて物足りないかもしれません。これといったひねりもなく、シライサンの正体もよくわからないままラストとなり、自分としては消化不良でした。でも、オーソドックスなストーリーで、小さく楽しめた感はありました。
瑞希の発見
人間の寿命を80年(3万日)と考えると
のろいが1人の場合、80年のうち、1万回出現
のろいが2人の場合、80年のうち、5,000回出現
のろいが10人の場合、80年のうち、1,000回出現…
という考察は面白かったですが、シライサンは1人(1体)だけのようなので、当たり前の数字という気がしました。
シライサンの呪いのルール
●シライさんの名前を聞くとシライサンが現れて殺される
●その際の死に方は眼球破裂
●シライサンは3日おきにしか現れない
●長時間目を逸さなければシライサンは消えていなくなる
●シライサンの存在を忘れると呪いは消える
瑞希は転落したことにより記憶喪失になり、シライサンの記憶もなくなったわけで、呪いから解放されます。だから、命を助けた春男は自分と瑞希の関係性を明かすこともなく、瑞希のためにその場を去ったんですね。
シライサンの出番は多いです。十分、怖いビジュアルなのですが、昼間も現れ、何度も見ていると親密感も湧いてきます。女優ベッキーの顔を白塗りにしたような顔立ちでもあり、ウルトラマンシリーズの怪獣ダダにも少し似ていたなんて感じたのは自分だけだったのか。
染谷将太が脇役で登場。単調に続く映画なので、怪談話のシーンが印象的で好演でした。