「実写版とアニメ版、どちらがお好み?」思い、思われ、ふり、ふられ(アニメ版) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
実写版とアニメ版、どちらがお好み?
実写映画化もされた咲坂伊緒の同名コミックをアニメ映画化。
アニメシリーズになって、実写映画になって…っていうのはよくあるが、実写とアニメでそれぞれ映画化し、同年ほぼ同時期公開という珍しいパターン。
見比べてみるのも一興。
実写版ではすでに友達だった朱里と由奈。こちらでは朱里がマンションに越してきて、由奈と友達になった経緯。
由奈と和臣の幼馴染み関係や朱里と理央が親同士の再婚で“姉弟”である関係。
物語の入り方やキャラ設定など、こちらの方が明確。私は実写版を見てからこちらを見たので相関図など一応把握していたが、全くの一見さんにはこちらの方が分かり易いかも。
実写版では浜辺美波が演じ、さすがのキュートな魅力全開だった朱里。こちらでは同じく快活ではあるが、男関係で他の女子からあらぬ疑いを掛けられるなど複雑な心境も。
実写版の由奈役で福本莉子を知った。その後同じ三木監督の『今夜、世界からこの恋が消えても』で印象付いた。好助演魅せたが、こちらではよりヒロイン格が。
実写版とアニメ版でちと違う印象受けたのは、和臣。こちらの和臣、理央以上に頼れる好青年。勿論実写版の赤楚衛二も悪くなかったが、ちと線が細かったかなと。
和臣の趣味と夢である映画。こちらでも同じだが、実写版では実際の映画ネタ引用が面白味あったのだが、さすがにアニメでは引用は出来なかったか…。
ドストレートの少女向け恋愛アニメ。良くも悪くも。後半辺りから二組のカップルの行方にだけ絞られた感になり、“少女向け恋愛アニメ”の枠から抜け出せなかった気がする。
実写版では4人の恋模様は勿論、将来の夢や“今”の輝きなど魅力的に描かれ、青春ドラマとして爽やかだった。
キャラ描写ではこちらアニメ版。
ストーリー展開など“作品”としてはどっこいどっこい。
ラストの後味の良さは実写版が一枚上手。