劇場公開日 2020年10月23日

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「彼の人となりが受け入れられた」キーパー ある兵士の奇跡 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5彼の人となりが受け入れられた

2024年2月11日
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鑑賞方法:VOD

終戦直後のイギリスにおいて、最初はナチスドイツの兵士という「属性」でしか見られていなかった主人公バート。しかしサッカーチームにおける活躍やその人となりが認められて、イギリス人と変わらない仲間として受け入れられていく。サッカーチームの勝利を祝う会で、チームメイトがバートへの餞別を送る姿はそれを象徴していた。ナチスドイツの元兵士だとか、外国人だとかそのような属性を全て無視して、バート本人を仲間として扱う姿に感動した。同じ目標を共有し、一丸となって何かの達成に向けて邁進する行為は、互いの人間性を知る上でとても有効なのが分かる。

イギリスの有力なサッカーチームの選手となったバートが、元ナチスドイツの兵士だと分かると、世間からかなりの批判を受けることになる。第二次世界大戦を引き起こし、ユダヤ人の大量虐殺を行ったナチスドイツの兵士なのだから、かなりの批判を受けるのは分かる。しかし彼は一介の兵士であり、ただ命令されたことに忠実に動いていただけだろう。にもかかわらず彼を追い詰めるのはいかがなものかと思った。

根岸 圭一