劇場公開日 2021年1月29日

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「新聞の四コマ漫画テイストなシニカルコメディ」天国にちがいない regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5新聞の四コマ漫画テイストなシニカルコメディ

2020年12月15日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

難しい

セリフを極力排除したコメディだと、最近でも完全無声の『ブラ!ブラ!ブラ!』があったけど、エリア・スレイマンのそれはかなりストイックな作り。
セリフが必要最低限ゆえに場面説明もないため、一体何が起こっているのかが把握しづらい。裏テーマとして、クレイマンの自国パレスチナの現状をシニカルに盛り込んでいるとはいえ、そうした前情報を入れてないと本当に分からないと思う。
プレス試写で観たけど、案の定試写室ではかなりのイビキ音が聞こえていたし。
『ブラ!ブラ!ブラ!』もそうだったが、テイスト的にはジャック・タチ作品に近い(宣伝ではやたらと「現代のチャップリン」を推しているが、ちょっと無理あり)。植田まさしとか東海林さだおの新聞の四コマ漫画や風刺挿絵を観ている感覚、とでも言おうか。
断言するけど、スレイマン作品を今まで観たことがない人がいきなり本作を観ると、かなり辛いと思う。出世作となった『D.I.』あたりを先に観てから臨んだ方がベターかも。

regency