「【”イザベル・ユペールの若さ維持の秘訣とSWの脚本は守秘義務あり・・。”人生の末期を悟った映画大女優が神話の街で取った行動とは・・。水平線に落ち行く夕陽の長い光が海面に映る様が印象的である・・。”】」ポルトガル、夏の終わり NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”イザベル・ユペールの若さ維持の秘訣とSWの脚本は守秘義務あり・・。”人生の末期を悟った映画大女優が神話の街で取った行動とは・・。水平線に落ち行く夕陽の長い光が海面に映る様が印象的である・・。”】
ー舞台は、”ここに地終わり海始まる”と刻まれた石碑が建つ、ポルトガルの避暑地シントラ。アダムとイブの伝説が残る神話の街でもある・・。
映画女優フランキー(イザベル・ユペール)は、ステージ進行が進んだ癌を抱えている。彼女は、友人、家族たちをシントラに集めて・・。-
■印象的なシーン
・冒頭、フランキー・・ーと言うか、脳内では完全にイザベル・ユペールとして観ている・・ー が、優雅に邸宅のプールで泳ぐシーン。リラックスチェアを広げ、ゆったり昼寝かな?と思ったら、さっさとトップレスになりプールで平泳ぎ・・。
<メイドとの会話>
”誰かに見られます・・”
”誰もいないわよ・・”
”写真に撮られたら・・”
”写真映えがするじゃない・・”
-流石でございます。イザベル姉さん。-
・中盤、フランキーが息子と友人を結び付けようと企んだこととか、町の人達との細やかな交流とか(フランキーのファンの80歳の女性の屋外での誕生日パーティー)、日常を離れた彼ら、彼女らの会話が心地よい。
フランキーの夫の孫の少女が、バスの中で知り合った少年と浜辺で口づけを交わすシーンとか・・。
神話の街での幾つかの出来事がさりげなく、描かれており、この作品の優雅さに華を添えている。
<ラスト、フランキーが”行くわよ‥”と、皆と近くの山の上まで足を運び、沈みゆく夕陽を断崖の上から皆で見るシーン。
”ここに大女優は終わり、海始まる”・・ということを無言で示すフランキー。そして、さっさと先頭を切って下山する姿。人生の終末を迎えてこの姿・・。
実に潔く、恰好が良い。
- 夕陽が水平線に落ちる瞬間を見せずに、夕陽の長細い光が海面に映る様を写し取った構図も絶妙に良い。- >
<2020年9月30日 ユナイテッドシネマ豊橋のレイトショーにて鑑賞>