劇場公開日 2019年7月5日

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「攻城戦の工夫が見応えあり」安市城 グレート・バトル うむぼんずさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0攻城戦の工夫が見応えあり

2020年6月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

WOWOWにて前情報なく視聴。
期待していなかったがおもしろかった。
テーマは「国を守るために」かな。

特に良かったのは映像の迫力と時代考証。
大軍勢同士の戦いは画になるし、20万人に対して一騎当千の安市城武将たちは観ていてワクワクする。剣・斧・弓・槍・馬などそれぞれ得意武器が違って特徴的。

また、両軍の戦い方が非常におもしろい。
高句麗軍の鎧馬武士はカッコいい。
対して唐軍は多彩な攻め方をみせる。物量・マンパワーで圧倒していく中国のパワーは凄いな。
攻城塔や土の山などユニークかつ理にかなっていて、wikiで調べたら土の山は事実らしく驚き。

また、表情や目線など細部にこだわっているなと伝わってくる。あまり観たことがない目線のカットや、多くを語らず表情で魅せる部分もよかった。

ヤン・マンチュンは市民や兵たちから慕われているものの、全てに万能ではないというのもおもしろい視点だと思う。
多くの作品では、こういうストーリーの主人公は何でもできてやることなす事全部がハマるイメージだが、本作においてはそこまで超人ではない。
あくまでも、安市城、そして高句麗を守る一人の高句麗人として描かれていて、だからこそ判断が遅れたりするし、人前で弱くなったりする。

ただ、ヤン・マンチュンの表情は豊富でないので分かりづらく、葛藤がもう少し丁寧に描写されているとより感情移入しやすかったかも。

メッセージは一貫していて、国防のために全員がやるべきことをやろうと。坑夫の笑顔が良かったな。

観ながら、日本で同規模の戦いを映画化するとしたら…と考えたが外国との戦争は近代まで少ないなぁと思った。

以下、印象的なセリフ。
「勝てる時だけ戦うのか」
「ご苦労だった」
「誰に従うかは重要じゃない」

うむぼんず