「圧倒的な尺の足りなさ」るろうに剣心 最終章 The Final クソチキンゴミ眼鏡さんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的な尺の足りなさ
映画のクオリティー自体は、過去作の完成度から心配することがなかったので、原作ファンとしての懸念は「原作のどの部分を採用して、どの部分をカットするか」という一点のみでした。
結果的には、初見の人でも分かるように上手いことまとめていたと思います。あくまで剣心と縁、そして巴という3人にフォーカスを当てていたことで、初見でもかなり理解しやすい内容になっていたと感じました。
ただどうしてもその弊害として、他のキャラクターの扱いが雑になっている面は否めず…
左之助はひたすらにボッコボコボコにされて縁の引き立て役。燕は命が助かったかどうかの描写は最後まで無し。蒼紫に関してはほぼ見せ場なくフェードアウト。
せめて最後に1シーンでも出てきていれば、少しは印象も変わったんでしょうが、流石にあれは雑。
あとやっぱり、落人村のくだりだけは必要。あそこで剣心が再び立ち上がらないと、剣心の中の巴は笑わない。巴への最後の「さようなら」の台詞があまり効かなかったのは、やっぱりそれが大きかったように感じる。
予算的に厳しかったのだろうけど、やっぱり前後編でやってほしかった作品でした。
ただ、それでも映画全体としては良く出来ており、アクションはもちろん、ラストバトルで音楽をほとんど流さないなど、演出への強いこだわりを感じました。
原作ファンの賛否が分かれるのは当然のことで、それ以外の人もどれだけ楽しめるかというのが大切だと思うので、全体としては星4です。