あのこは貴族のレビュー・感想・評価
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あっち側とこっち側の常識非常識の融合は一生無理
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もう慶應ってば!何も考えずに入学してきて、実はあれほどの階層があるなんて!!誰も教えてくれなかった。しかも一番上位階層にあるあの人たちの「普通」って、普通の「普通う」じゃなくて、もう文化も習慣も言葉も全然別世界の住民たちの「普通」なの。同じ花を見ても、色も形もあの人たちとは違って見えるにちがいない。というあっち側とこっち側の物語。あっち側の主人公、青木幸一郎(高良健吾)と結婚するあっち側の榛原華子(門脇麦)、こっち側で慶應中退しちゃう時岡美紀(水原希子)が中心となって物語が進む。しかし映画的にはディスられているような幸一郎の姿はどうだろう。あれほどの家系で将来のルートが決められていることに素直に覚悟し、羽目を外さず、傲慢にならず、あっち側にある「普通」を生きている。こっち側から見れば、鼻持ちならないのだろうけど、あっち側ではドロップアウトもせずに一族を大事にするナイスガイだと評価されているのだろう。
そういう意味では、深く考えさせられる傑作映画だ。あっちとこっちの垣根は「資産の量」の高さではないというあたり、どこまで理解されるのかな。
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