「薄味な印象」あのこは貴族 kyoさんの映画レビュー(感想・評価)
薄味な印象
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山内マリコ作品が好きで、原作は読んでいた。『アズミ・ハルコは行方不明』の実写化も微妙だったので期待せず視聴。
現代女性の痛々しいほどリアルな心理描写が山内作品の魅力だと思うが、映画用にきれいにまとめられた結果、全体的に薄味な作品になってしまったように思う。幸一郎ってもっと嫌な奴の印象あった。
襖の開け閉めやカフェの注文などから華子の育ちの良さを表現したり、同窓会で所在なく空いたグラスをまとめるシーンから美紀の性格を表現したりと、細かい描写の拘りは感じられた。
終盤、美紀と華子の会話で「どこで生まれたって最高と思う日もあれば泣きたくなる日もある。でもその日あったことを話せる人がいるだけでとりあえず十分」と話すくだりがあり、この映画のまとめのような発言ととれたが、イマイチピンとこなくてすっきりしなかった。
まとめると、
・狭い世界の価値観に囚われるな
・女同士で争うな、協力していこう
・どんな境遇の人でも悩みはあり、人生そう完璧にうまくいくもんじゃない。日常の小さな幸せとつながりを大切に
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