「映像と演出もすごい」あのこは貴族 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
映像と演出もすごい
クリックして本文を読む
「今の日本で階級差を描くのは難しい」って言われてるんだけど、描けるね。すごい。
演出がいいんだよね。門脇麦の箱入り娘の感じとか、石橋静河が語る感じとか。映像もすごい。石橋静河が河川敷で語るところは特に良かった。
予告編観てるから、門脇麦と水原希子のダブル主演だって分かってるんだよね。でも水原希子がなかなか出てこない。「いつ出てくるんだろう?」と思いながら観させておいて、登場させるシーンはキレがあって良かった。
キャストも良かったな。門脇麦のお姉さんに石橋けいと篠原ゆき子を使ってくるとか。篠原ゆき子は《ミセス・ノイズィ》よりいい演技だったよ。
途中まで「幸せな人が誰も出て来ない」と思ったのね。門脇麦も水原希子も高良健吾もみんな不幸そうなの。「この窮屈な状況で女性が割りを食っている」っていう感じかなとも思ったけど、それより、家に縛られるとみんな不幸になるってことだね。
ラストに向けては、女の人が家から解放されていって、そこそこ幸せそうに見えてきたな。
作品のテーマと違うかもだけど、観てて、「階級の固定」は思った。世代を超えて階級が固定される社会になってるね。そして上の階級に生まれたからって幸せとも限らなそう。
あと慶応大学は恐ろしいね。そんなに格差を感じながら過ごす大学なのか。
深いテーマを最低限の説明に押さえて、いい演出と映像と観せてくる岨手由貴子監督はすごいと思ったし、観たほうが良いと思うよ。
コメントする