「分断でもなく、連帯でもない。」あのこは貴族 YKさんの映画レビュー(感想・評価)
分断でもなく、連帯でもない。
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圧倒的な身分差、住む世界の違いを、なにげない仕草や話し方や身につけるものなどで表現していて、彼らの間の溝はかなり深い。「身分なんて関係ない!」みたいな言葉はきれいごとに思える。
だけど、分断や対立の物語ではなかった。あらすじを見た時は、もっとドロドロした展開になるのかもと思っていたけど、中盤で石橋静河が清々しく宣言したように立場が違うからって憎み合う必要はない。
かといって、立場を越えて連帯しよう!というメッセージでもない。主人公は離婚したし、美紀さんとも人生の中でたまたますれ違っただけで、そこから親友になるわけでもなく、それぞれがそれぞれの幸せを求めていく。
分断でもなく連帯でもなく、それぞれの生き方がある。格差を描きながら、とても優しい気持ちにしてくれるところが好きでした。
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