「皆んなまぼろし」あのこは貴族 HARU-2000さんの映画レビュー(感想・評価)
皆んなまぼろし
「東京とはみんなの憧れで出来ている」
冒頭でタクシー運転手が
「お客さんをホテルへたくさん運んだことがあるけど、一度も中に入ったことがないです」というセリフがあった。確かに丸の内に立ち並ぶビル群なんか通り過ぎるだけで入ったこともない。
そんな丸の内の住人達にも上には上がいる。
松濤のお嬢様もしがない開業医の娘として青木家の前では格が落ちる。
その青木家も海運業で財をなしたと言っていたが、
つまるところ商人の出なので出るところに出れば、成り上がり者として後ろ指を刺されるのだろう。
人の欲望は饕餮で足ることを知らない。
東京の憧れは、外から眺めているくらいが距離感としては丁度いいのかもしれない。
この映画は幸せをテーマとして扱っているので
登場人物が出てくるたびに「この人は幸せなのか?」という目で観てしまう。
居場所と幸せは相関する。その自分の居場所は誰かに与えられても意味がない。
幸せも与えられるものではないという点において貴賤はなく、平等なのかと映画を観ながら思った次第。
しかしああいう層ともなると、絶対amazonとか利用したこと無さそうだな(笑)
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