「出会うことがないはずの二人だったが」あのこは貴族 エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
出会うことがないはずの二人だったが
あまり語られることのないヒエラルキーについてストレートに語る作品。ホント珍しいと思う。
病院を経営する医者を父にもつ華子(門脇麦)は結婚を前提に仕事を辞めたが、婚約者と別れ家事手伝いとなった。結婚相手を見つけることが彼女の使命である。
富山から東京の大学に入ったものの家業の問題で中退した美紀(水原希子)は、その後も故郷へは帰らず東京で働いていた。
現在の日本にも確実に存在するヒエラルキー。階層をまたいで出会うことはない、はずだったが。
華子は更に上の階層でイケメンの幸一郎(高良健吾)にときめく。幸一郎は気の置けない美紀と過ごす時間が安らぎだった。幸一郎つながりで二人は出会った。
この後の展開が好きだった。華子は美紀と出会い真の自我に目覚めた。初めて彼女自身の人生を生き始めた。観る自分もいい気分に浸った。
ある意味で人間皆等しいと、階層に関係なく同じなのだと言ってくれたような気がした。温かい気持ちになった。何故か矢野顕子さんの『ごはんができたよ』を思った。
今年の日本映画のベストの一本だろう。
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