「貴族という偶像を生きる。」あのこは貴族 はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
貴族という偶像を生きる。
日本の中心。東京。
友人と高額なアフタヌーンティーを楽しむ。高級バッグも普段使いで移動はタクシー。医者の家系で育った箱入り娘の華子。
一方、地方から上京したものの学費が払えず大学を中退。捨て身で働き生きてきた美紀。同郷の友人と自転車でニケツ。大都会の夜空に愚痴を吐き出す。私達はこの街の養分だと。
華子の運命の相手、幸一郎。更にグレードの高い上流階級のご子息だ。家柄の良いお嬢様と結婚し跡取りを生み政治の道へと進むことが生まれた時から決まっている。誰かが決めた道を当然のように歩く幸一郎と華子。違和感に気が付きながらも目を背けて。
あることをきっかけに知り合った華子と美紀。まるで違う東京を生きてきた2人がビルに切り取られた東京タワーを並んで見上げている。力強く輝く美紀の言葉に自分自身を生きようと勇気をもらう華子。東京タワーがめっちゃ綺麗で素敵なシーンでした。
門脇麦と水原希子が好演!特に水原希子が都会で地に足をつけて生きる女性を体現していてかっこよかったです!
幸一郎も悪い人ちゃうけど打算的やなぁって思ってたけどラストの表情がグッときた。不器用だけど華子への愛情はちゃんとあったんやねって安心しました。
数年前東京へ嫁ぐ友人に「知らんけど、って言ったらあかんで!」「オチを求めたらあかんで!」「地下鉄が深いから気を付けてな!」「迷子にならんとってな!」ってみんなで送り出したことを思い出しました(笑)同じ日本なのにやっぱり東京って特別な気がする。
最後に「邂逅」が読めなくてちょっと損しました。そういう意味だったんですね(笑)あ~情けない。
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