「小津安二郎的な佇まいの映画」あのこは貴族 ユウコさんの映画レビュー(感想・評価)
小津安二郎的な佇まいの映画
声高ではない。しかし、的確な、見てる側に響くエピソードの積み重ねで、自身の常識から解き放たれて自立していく様子が、女友達を介してのことなのも魅力的。
なんといっても門脇麦のイノセントな女性像が画面での説得力を持つ。
取り立てて新しい題材ではないが、丁寧な組立で、様々な問題が見える作り。(どちらの世界も、いやなところがあるという描写が、きまじめなほど平等に描かれる。どちらも自分で歩きたい女の子には不愉快な場所)
出会うはずのないCLASSの人が出会えるのが「学校」という場所なのだけれど、それも今後はかなわぬ場所となりそうな今の日本は、果たして広い世界に気づく若い人が育つのだろうか、とふと心配になった。
コメントする