劇場公開日 2021年2月26日

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「自らの置かれている階層から脱すること」あのこは貴族 chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5自らの置かれている階層から脱すること

2021年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

4年前「愚行録」を観て慶応大学の「内部・外部の現実」を知り、同じキャンパスで学ぶ学生の中でも、そういった出自にかかわることで覆せない「現実」が今日でもあることを思い出しました  本作ではそういった現実をその後の年齢・アラサーの女性の生き方として描いていました  みなさんおっしゃる通り水原さんと門脇さんの配役の意外性も納得でき、これまでの水原さん門脇さんの印象を裏切る素晴らしい配役であったと思います   「寝ても覚めても」の暖かみのある山下リオさん目的で観ましたが、水原さんを支えながらも起業をして前に進もうとする姿もよくあっていました  石橋さんは「夜空はいつでも…」の鮮烈な印象以来、脇でも着実にいつも印象に残る作品を重ねられています
私も田舎で暮らす身であり、「あのような人々」とは縁のない暮らしですが、選ぶことのできない階層・出自から、自らの力で自分の可能性を切り拓くことのできる人生の可能性を、今一度原作を読んで考えてみたいと思います
蛇足ですがコロナ渦で難関大学に入っても親の仕送りが途絶え、自ら「身を削って働いて」も退学せざるを得なかった、この作品の水原さんのような境遇の方も多かったでしょうね (3年2月28日 イオンシネマ和歌山にて鑑賞)

chikuhou