「紅茶と珈琲のパラレルワールド」あのこは貴族 本まぐろトロ子さんの映画レビュー(感想・評価)
紅茶と珈琲のパラレルワールド
華子の育ちの良さがわかる所作や服装や、装飾品といった細やかな描写と東京が全面に出ているところが気に入った。
華子の階級で驚いてしまうなかれ、真のこの国を動かすさらに上流階級の生活に驚くとともに、狭くて限られた選択肢のない人生が、地方に暮らすそれと似ているという点は面白い。
そしてそれらは決して交わらない平行世界であるのも事実を突きつけてくる。
しかしかながら、これは東京と言ってもごく一部の世界。
23区内、しかもその中でも富裕層が住む世界の一部。
この映画で描く必要はないから出てこないけど、東京にはそれ以外の面もたくさん持っているわけで。
ごちゃまぜな東京が好きだ、と東京生まれ東京育ち、出てくる建物や道路が知ってる場所だと嬉しくなっちゃう自分は改めて思った。
ただ、それでも、狭い世界に憧れる自分も否定できなかった。
そのなんとも言えない跳ね返ってくる感情に負けた。
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