「誰だって「最高」なときもあれば「泣きたくなる」ときもある」あのこは貴族 Koheiさんの映画レビュー(感想・評価)
誰だって「最高」なときもあれば「泣きたくなる」ときもある
予告編を観て興味を持ち、劇場に足を運んだ。箱入り娘・華子(門脇麦)と地方から上京し、自力で生きる美紀(水原希子)の二人が主役として登場している。予告編を観たかぎりでは、後者の生き方には共感できたが、前者の生き方にはあまりピンとくるところがなかった。美紀の友人が我が身を憂いて「東京の“養分”にされている」とこぼすシーンにはウンウンと唸ったものである。とはいえ、作品の世界に没入するにつけ、お嬢様として育った華子にも、お嬢様なりの苦労があることを知った。松濤で生まれ育ったお嬢様の華子も、富山で生まれ育ち上京した美紀も、しがらみの中で生きていることには変わりがない。隣の芝生はいつも青いが、二つの視点からものを見ると、実はそうでもないと気づく。異なる階層で生きる二人であったが、ひょんなきっかけから、その階層なるものを超えて出会う。自分の生き方に迷いを感じていた華子は、美紀との出会いを通じて、どんな人生が「最高」であるかを自らの力で見つけようとする。
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iwaozさんのコメント
2021年3月3日
いや〜非常に良かったです。全てのシーンに無駄がなく、ナチュラルな姿や言葉、動きで非常に分かりやすく監督のメッセージを伝えてくれていますよね。
非常にハイレベルな文学的センス、名監督誕生かと感じました。
まずは次回作に期待してます^ ^