「”Earthworms can't leave the ground for too long or they die.” テーマ的言葉?」ザ・レセプショニスト Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
”Earthworms can't leave the ground for too long or they die.” テーマ的言葉?
IN MEMORY OF ANNA
亡き友人のオマージュとして、レクイエムとして、存在する映画。
オープニング・クレジットが終わるや否や映画の冒頭、自分の身の丈より高い
"silver grass" をかき分けてどこに行こうとするのか? 女性がふと振り返ると映画の主人公ティナの姿が.....。その後、観覧車のビッグ・アイ、ウエストミンスター寺院、ビッグ・ベンをいつも普段見ている時計台の文字盤が見える方向からではなくて、逆である後ろの反対方向から撮影された空からの映像が流れる。.....その意味することは.....?
雇ったらこっちの勝ち。手厚い言葉がティナに投げかけられる。共通語はマンダリンなのに......?
People in Taiwan eat this?
Tasteless!
Sasa, teach Tina how to cock tomorrow.
She can't cook.
-My boyfriend says I'm a good cook.
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Tina, I know you're scared to taste sperm!
That's why you don't want to eat the same food as us.
-No. This sandwich was on sale.
We're like a family now....You don't need to worry so much.
今回の映画の脚本家の1人でもあるジェニー・ルー監督。映画について、インタビューに答えている。「5人の個性あふれる、意志の強い彼女たちがロンドンという街を故郷と思いたい気持ちと、それに反すかのように、生活をしていく上での金銭的な苦しさや異国民に対する偏見など現実に直面する彼女たちなりの何とかして生き抜く姿を見ていただきたい。」
リリー。一軒家を借りてマッサージパーラーの事実上、オーナーのリリー。違法な営業をしていることで、マッサージ・パーラー独特の匂いが漏れないか、雑用係のティナに窓に目張りをするよう指示し、近所の視線を気にするあまり、日中でもカーテンをちゃんと占めているか口うるさく言っている。それに加え、金には厳しく、ティナには日払いといっておきながら、月末ね?なんて案外お金まわりが悪いと思っているとツバメにはティナの前でもジャレまくるし、お小遣いもあげている。そんな彼女.....
If I die from working for money that would be the best way.
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-Why do you want so much money?
I've had enough of living in poverty.
メイ。マレーシアから来たコスプレ系担当でいつでもキャピキャピな最年少?しかし、痛みに弱く強い薬も使うメイ。客からの肉体的仕打ちを受ける矢面に立っているが、皆が集まっての最後の晩餐?のようなごちそうの時....皆を励ますように
Come on!Let's toast. Here's to making loads of money.
ササ。見るからに化粧が濃く、年齢にふさわしくない派手な身なりで、普段は、ランジェリー姿でうろつき、肌の手入れには、余念がなく、リリーを除けば1番年上のササ。演じているのが、台北国立芸術大学助教授、チェン・シャンチー。この映画のシナリオでは、出会ったときは、ティナには冷たく接していたが、後に彼女と共通する点が多くみられるようになる。ただし、新人のアナには敵意を感じるほどの厳しい立場にいる。
Sasa came to England for her boyfriend, she was pregnant.
But he dumped her.
She came to me after giving birth, begging me to let her work.
I felt pity for her so I took her on.
そしてアナ。人には常に優しく接し、困っているティナにはすぐ隣に肩を寄せ、ティナが流す涙もふき取ってあげたりも自然にしている。身震いをしてしまいそうな仕事でも国でお金に困っている親族に少しでも早く送金してあげたいと思っている彼女......。彼女が登場した瞬間に何も起こっているわけではないのに、涙腺が解放状態となる。なぜなら、今後の展開の先読みが.....。ラスト、みんなが住む家から何処へ行くともなく出て行くアナ。後ろ姿だけを追っていく描写。そしてヒースロー空港ロビー。リリーからうっとうしいからやめろと言われていた、いつもの髪をいじる癖。天井を見つめているのか?発着を照らす電光掲示板を見ているのか? 裸足で立ちつくしている。
I'm going home tomorrow.
I'm going home tomorrow.
Sorry I don't have anything valuable to give you.
A gift from me.
Take it.
Please! いつまでもティナの手を離さないアナ...........悲しすぎる。💧
ティナ。大学を卒業して、インターンとして働くことで、イギリスの公共職業安定機関ジョブセンター・プラスにインターン時の給料未払いや就職斡旋すら外国人には、冷たくあしらっているのを目の当たりするティナ。しかし、その彼女が卑劣とも呼べる行為そのものが許せない! それでもメイがティナがイギリス人のボーイフレンドがいることが羨ましく、色々と聞こうとする場面は、定番の話と理解できる方なら自ずとわかるものとなっている。
視聴制限PG12となっているので映画には、目を覆いたくなるような暴力シーンや精神的に侵されたたような性的シーンも登場する。このサイト、映画.comで示されているような”暴力に支配された偽りの空間” というようなエンターティメント的なふり方をするような映画の内容ではなくて、彼女らのひたむきに生き抜く力を見るほうが得策といえる。
There are lots of dead earthworms in the garden.
Did you spray pesticide or something?
"Earthworms can't leave the ground for too long or they die."
アナの死の本当のきっかけは.......?
I should have gone easier on her.
ササは、冒頭でティナが見る夢と同じ夢を見るという........。
Don't you think that our dreams get smaller as we get older?
レビューが存在する。
Another Gaze
サイトの趣旨として、”2016年1月に設立されたフェミニスト映画情報誌で、映画業界のジェンダーの不平等に対して声を上げ、しばしば見過ごされがちな、女性としか見なされない映画監督の声を世間に届かせるために設立されました。私たちの目的は、主流のウェブサイトが”woke・ウォーク” をアピールしている時間だけではなく、女性の映画が公共の思わくの中で長く生き続けることです。”
woke:社会的不公正や人種差別に対して敏感であること、またその意識。スラング
「 特にティナとササの友情は、映画の最も強力な部分の1つで、2人の女性は互いをとげとげしく思う発端を理解していることが分かっている。」
Sunday Times (UK)
サンデー・タイムズ は、英国の英語の保守系高級紙タイムズの日曜版。1822年創刊。
「残念なことに、映画の筋のターニングポイントの多くは、メロドラマを恥ずべきと思うような強引なシナリオで組み立てられている。」
あまり思い出したくもない事が、これもよく似てる、あれもあったと、実際に近いものが思い出される。過去のいい思い出と振り返ろうと努めてみるが.........すぐに思い出される。
大家の甥が毎週家賃を回収に来る。部屋の中を覗き込むように......。
自動車がなければ暮らせない世界で、自動車免許の取得。筆記試験 OK 実技 OK いくら待っても免許取得を知らせる通知が来ない。しかし、日本の免許があれば 即OKの1文が....
知り合いが、交通違反を取り締まる警官から、車から降りるように言われ、警告なしに後ろ手に手錠をかけられる羽目に。ローズティーを飲む弁護士からのアドバイス、「罰金を払いたくないなら、この国から出なさい。」ッて? 後ろ手に手錠という人権は....。何もなかったように、その後、季刊誌を見せられ、セイトウ・ユキを知っているか?と尋ねられる。彼女、日本では、ビールをおいしそうに飲むCMに登場され、しかも戒律では禁忌とされることもされている方です。
主テーマかのように売春というものが、この映画では避けられないが、イギリスといえば、コモンウエルス通称:英連邦王国(Commonwealth realm)。現国家元首・君主であるエリザベスⅡ世が8か国から50か国に増やしたとされるコモンウエルス加盟国。イギリス移民が大部分を占めるオーストラリア・ニュージーランドといった国は売春に関しては、似通った法律が存在していると思うとそうでもない。特にオーストラリアはアメリカのような各州で独立した法律があり、異なる内容のものが存在する。そのキャンベラの女性市長のよく知られている言葉、「モラルを押し付けておきながら、福祉を充実させずに貧しい生活を甘受せよというのは、金持ちの身勝手である」このことから1部の州では売春が合法化されている。隣の国ニュージーランドでは、売春は公共機関からの許可制となっていて、避妊具も提供されていると聞く。そんな中、イギリスでは個人で行う売春については、合法という見方ができるが、この映画の悲劇の舞台となるマッサージ・パーラーなどの組織売春は、違法となる。よく言われるイギリス人の2枚舌とも取りうる内容とされる。そして、書くのを諦めさせるような近所のイギリス女性の言葉が、終わり近くになると彼女たちに投げつける。
いつまでも変わらないのは、貧しいものは、いつまでも貧しく、またロンドンのような大都市に、小さな希望を抱いてやってくるアナのような純粋で優しい心根を自然に持っている人が、来ないことを願う。
ただ、救いだったのが、ジェニー・ルー監督の隣で、目を輝かせながらインタビューに答えているこの映画のプロデュサーでもあるシュアン・テンさんがいた............