「やっと見られました」わたしは光をにぎっている ゆいっちさんの映画レビュー(感想・評価)
やっと見られました
野尻湖の美しい風景から都会の下町にでてくるという風景、描写がとてもきれいに描かれていて、観ていてとても心地よく癒やされました。
澪ちゃんの消極的な感じ、言葉足らずなところ、番台に座るなら「いらっしゃいませ」「ごゆっくり」「ありがとうございました」
が言えないのかな〜?って思ったり、でも澪ちゃんなりにそこに馴染んでいく様が寡黙に描かれていて知らぬ間に映画の世界に引き込まれていました。
ここからは私情を挟んでの感想お許し下さい。
私は、ここが舞台になった伸光湯の娘です。
父と母は55年間必死になって伸光湯を守ってきました。何度も体調不良で止めるのかという時期がありましたが夫婦二人三脚で頑張ってきました。映画のオファーがあり撮影場所となりこの作品が出来上がるのを楽しみにしていました。家族で観に行きました。まさか上映前に廃業になるとは思っていなかったので、この作品がヒットして伸光湯にたくさんのお客さんが来てくれてよかったねとなるというシナリオだったのですが、公開を1ヶ月前に閉店となってしまいました。
映画を観た父と母は何度も泣いていました。取り壊されるシーン。これから現実になる光景、光石さんが男湯で泣いていた切なくて悔しい気持ち‥同感だったと思いました。廃業になるにあたり素晴らしい作品を残してくださり有難かったです。
私は当事者として観ていましたが、観に来てくださった方には現在の銭湯事情と銭湯を経営していた裏側を知って欲しかったです。
これからは清瀬市に伸光湯という皆に愛された銭湯があったことを知って欲しい限りです。
私情を挟んで申し訳なかったです。
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