劇場公開日 2020年2月21日

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「看板に偽りはなし(笑)。本作ならではの恐怖と、衝撃の犯人。」スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5看板に偽りはなし(笑)。本作ならではの恐怖と、衝撃の犯人。

2020年5月7日
PCから投稿

怖い

興奮

知的

【賛否両論チェック】
賛:主人公達が巻き込まれていく命懸けの捜査や、予想だにしない犯人とその動機に、終始ハラハラドキドキさせられる。主題歌も魅力。
否:前作の知識はあった方がイイ。展開はかなりのご都合主義で、ハッキングが万能に機能してしまうのも、どこか興ざめしてしまう。グロシーンもかなり多い。

 前作の説明はあまりしてくれないので、やはり予備知識はあった方がよさそうです。
 前作では、恋人がスマホを落としてしまっただけで、ヒロインが命の危機にさらされてしまうという展開が衝撃的でしたが、今回はスマホを落とす間もなく、影を持つ若き刑事・加賀谷とその恋人・美乃里が、猟奇殺人鬼・浦野をも絡んだ一大事件へと巻き込まれてしまうストーリーに、思わずハラハラさせられてしまいます。ただ最後まで観てみると、看板に偽りはなく、やはり今回も
「あ、確かに『スマホを落としただけなのに』だな!」
っていうのが分かるかと思います(笑)。
 そして「誰が犯人か?」というフーダニットも、本作の魅力です。前作の浦野もそうでしたが、今回も「M」という謎のハッカーが暗躍する中、最後に明らかになる驚がくの真実は、ミステリーとしての面白さも充分に兼ね備えています。
 ただ、ハッキングで何でもかんでも出来てしまう辺り、ご都合主義すぎて少し興ざめしてしまう感もあったりします。グロシーンなんかも多めですが、作品全体に漂う不気味な雰囲気に、King Gnuの主題歌「どろん」も見事にマッチする緊迫のサスペンスを、是非ご覧になってみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド