劇場公開日 2020年2月21日

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「悪い意味での「日本映画らしさ」の見本 (愚痴ります)」スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5悪い意味での「日本映画らしさ」の見本 (愚痴ります)

2020年2月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

そこそこのサスペンス感だし、美乃里が心配で手に汗握っちゃうし(警察が無能過ぎ!)、最後のどんでん返しは、途中で「コイツやな」って分ってはしまうけど「それしか無いよね」ってうなづけるし、ラストショットはあざと過ぎて「易(やすっ)」って思ってしまうけど、楽しめました。あぁ、だめや。何を言っても嫌悪感が混ざってしまいますw

とにかく、邦画としては標準点以上だとは思いましたが、鑑賞当日は虫の居所が悪かったのか、ネガな事ばかりが目についてしまいました。

溜め込みたくないので、以下、思いっきりDISります。

☆役者さんの統一感
例えばですよ。藤原竜也の演技とか、暑苦しいやないですか。そんなに喚くなよ、って何時も思ってます。けど、嫌いじゃ無いんです。むしろ引き込まれる。なんと言っても、舞台経験を積んで来られた役者さんって、映画の中で「過剰演出を更に超える過剰演技」をして下さる訳ですが、これは好き。

「スマホ」では「過剰演技の男性陣」と「不足感アリアリの女性陣」のギャップが気になりました。と言うか、溶け込めませんでした。「芝居がかった過剰演技」でも、「リアル」でも、どっちでも良いので一作の中では統一して欲しいです。

理由、と言うか背景は判らんでも無いんですが。これが「日本映画らしさ」。成田凌の単独パートとか、大好きなんですけど。

◆雑な撮影
もう、最初からイラつく。就寝中の人物の足裏から、ゆっくり横移動、同時に上に速度変化しながら動くカメラ。そこから横移動の速度は一気に落ちながらも、上方向には、また違う速度で上がり続け、回転しつつパン。この間、不規則に微振動します。焦点も微妙に動いて無かったですか?ここ、実は重要なシーンや無いですか。無造作、って言うか無計算って言うか、一発勝負した感、って言うか。こう言うところに丁寧さが、全然ない。お隣の韓国もインドも、印象に残したいシーンのカメラって物凄く丁寧です。

この雑さ、やっつけ感は、至る所で散見されます。ホントにイヤ。もっとこだわろうって言う気持ち、起きないんでしょうか。

◇編集のやっつけ感、脚本の「良く練られた感」の欠如
美乃里の追跡シーンなんかが好例やないかと思うんですけど。「なんで?」「は?」「ふ!」が多すぎます。30cm単位で追跡可能な警察GPS舐めてるし、出て行くミニバンのリヤエアロに取り付けられたスマホに気づきそうだ!な描写は足りないし、フロントガラスを拳銃で飛散させるし、Iさんの情報収集は肝心なところで警察無線と言うアナログ。SAでの大立ち回りには野次馬さえいないし警報すらならないなどなど。も少し合理性に拘って欲しいし、構想の段階でしっかり練って練って練って、その上で準備をしていたら、追跡シーンの緊迫感は見せ場になったのに。「美乃里の身の安全が心配」以外の印象が無いのは、作り手側もそれだけに頼ってるからだと思う。

○Iさんの拳銃
良い点も言います。彼が手にしていた拳銃ですよ。加賀谷は刑事なので、一番オーソドックスなニューナンブ。Iさんが手にしてたのは、良く見えなかったんですけど、銃口廻りのスリムさと形状から「Beretta 92F」じゃ無かったかと思うんです。これ、警察刑事部に属する「特殊事件捜査係」や、各都道府県警察が現場突入の際などに使う拳銃の一つです。あ、ちゃんと考えてるんだ、って思いました。ここはGJ!邦画に出て来る拳銃って、いい加減な事がほとんどなので。

あー、すっきりした。

とにかく。TV局が製作者になると、コンテンツのクオリティを上げる事よりも、広告・人寄せ効果のために金を使う傾向が強くなります。ビジネス効率を追求すれば、必然的にそうなるもんね。映画愛とは、ビジネス効率もそこそこに、作品の質のために金を使う事。俺的な定義です。

bloodtrail
NOBUさんのコメント
2020年2月23日

今晩は

 ”TV局が製作者になると、コンテンツのクオリティを上げる事よりも、広告・人寄せ効果のために金を使う傾向が強くなります。”
 同感です。最近はオープニングでTV局関連のロゴ?マークが出ると、覚悟するようになってしまいました。
 映画の”質”と”採算”を両立させるように努力するのが、プロの仕事だと思うのですが・・。(邦画製作の現状はある程度、分かってはいる積りではありますが・・)

NOBU
かいりさんのコメント
2020年2月23日

bloodさんのレビュー読んで、私も鑑賞中に抱いたモヤモヤが晴れました。拳銃には思考が及びませんでしたけど(笑)

かいり
2020年2月23日

まあ、いきなり脚の裏見せられてもねぇ、、、とは思っていたw

巫女雷男